2017年7月26日水曜日

3Dプリントフードで野菜嫌いの子どもも健康に

イタリア・プーリア州発:フォッジャ大学の研究者グループはこのほど、野菜嫌いの子どもたちに野菜を混ぜた食材を3Dプリントにより見た目を一変させることで食生活が改善されるか検証実験を行い、その結果を国際食品工学協会( ISFE )機関誌 Journal of Food Engineering 電子版に発表した。

実験は果物と野菜数種とをブレンドしたペーストをフード3Dプリンターで子どもたちの好きな生き物の形に変えて出力し、これを小学生の一団に試食してもらった。たとえばバナナ、白豆、キノコ、牛乳をブレンドした食材を3Dプリントでタコの形に成型したものを供した。

その結果、野菜や果実が3Dプリントフードになったことで子どもたちの反応もよく、同グループは今後はこのような3Dプリントフードが学校や家庭で一般的な食品になるかもしれないと期待する。

同グループ主幹の Carla Severini 氏の話「この3Dプリントフードの基盤は鉄、カルシウム、ビタミンD を含む原材料で、子どもは見向きもしないが、タコの形になると話は変わってくる」。

また同グループは魚類やカリフラワーでも同様の検証を行いたいとし、将来的にはタンパク質の宝庫でありながら西洋ではなかなか食卓に上がらなかった昆虫ベースの3Dプリントフードの開発にも乗り出したい考えだ。

参照元記事1.
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2017年7月23日日曜日

3Dプリント製品強度を 275 % 高める画期的新技術を開発

米国テキサス州発:テキサス A & M 大学工学部はこのほど、カーボンナノチューブ( CNTs )とマイクロ波を使用して3Dプリント製品強度を飛躍的に高める新技術を開発したと発表した。

この新技術を開発したのは同大学材料科学 / 工学科博士課程に在籍する Brandon Sweeney 氏と、指導教官の Micah Green 准教授。両氏によると、特に FDM 型3Dプリンターで出力した製品には各層理面の剥落による損壊のために試作品製造用途に留まる場合が多いことから、同方式でプリントアウトした製品強度を実用に耐えられるレベルにまで高める技術の開発の必要性を感じたことが開発の動機だと述べている。

今回 Sweeney 氏らが開発した新方式は、熱可塑性ポリマー表面にカーボンナノチューブのコーティングを施し、プリントアウト時にマイクロ波照射により加熱することで溶着させるというもの。溶着工程で加熱されるのは樹脂のカーボンナノチューブのコート面のみで、TIG 溶接のような感覚で点溶接ができるという。

同氏らは現在、開発した新技術の特許を申請中で、既に地元企業にライセンス供与している。この方式の利点は3Dプリントとマイクロ波溶接とが同時に行えることで、破壊強度も従来の 275 % 増という飛躍的向上を達成したという。

今回の研究成果は Science Advances 電子版最新号に掲載されている。




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2017年7月16日日曜日

ISS 設置の3Dプリンターが高耐久 / 高耐熱素材対応に

米国発:Made In Space, Inc. はこのほど、国際宇宙ステーション( ISS )に同社が運搬設置した AM 設備( AMF )3Dプリンターが高耐熱性能に優れるポリエチレンイミン / ポリカーボネート( PEI / PC )素材でのプリントを開始したと公表した。

PEI / PC は航空宇宙用途に多用されているポリマー素材で、今後は ISS 内で高耐久性が要求される部品製造も可能になる。Made In Space 製の AMF でこれまで対応していたのは ABS および GreenPE 素材で、今回の PEI / PC の追加対応により、取り扱い可能な素材は 3 種類となった。PEI / PC の引っ張り強さは ABS のほぼ 3 倍あり、人工衛星の外装材や旅客機客室、医療分野に使用されている。同社が ISS に設置した AMF の最大造形サイズは 140 x 100 x 100 mm、解像度は0.1 - 0.44mm、垂直解像度は最大 75 μm 。

同社によると、PEI / PC 素材を現在開発中の「 Archinaut Development Program 」でも使用可能にすることも視野に入れている。同プロジェクトは3Dプリンターと数基のロボットアームとを組み合わせた組立自動化システムで、船外 / 船内活動用補修部品をはじめ、衛星の組立までも一貫して実行できるようにすることも可能だという。

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2017年7月14日金曜日

UL が3Dプリンターの排出物規制を提言

米国イリノイ州発:米国製品安全規格会社 UL( Underwriters Laboratories Inc. )は3Dプリンターの排出物について、業界全体で評価規制に取り組むべきとのプレスリリースを出した。

UL は 2 月にジョージア州アトランタ市内で開催された「3Dプリンティング安全学サミット」において、3Dプリンターが揮発性有機化合物( VOC )や超微粒子の発生源になり得ることを指摘。また 2 年におよぶ調査の結果、3Dプリンターを締め切った室内で稼働させた場合、室内空気汚染の恐れがあり、長期的には慢性疾患を引き起こしかねないとの結論に達した。

UL 化学研究イニシアティブ、ジョージア工科大学、エモリー大学ロリンズ保健大学院が共同で行った調査によると、FDM / FFF 型3Dプリンターに使用される PLA や ABS 樹脂フィラメントは共にほぼ同量の超微粒子を発生させ、スチレンやラクチドなど約 50 種の VOC が検出されたという。これらの排出物はただちに人体に影響を及ぼすものではないが、専門家たちは造形室の密閉やフィルター設置、換気など排出物に直接人体を晒さない工夫が必要だとしている。

UL 側は今後も3Dプリンターの排出物の毒性について調査を継続し、安全な3Dプリンター製品評価のための指針開発を支援する計画だ。

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2017年7月8日土曜日

3Dレーザースキャンで植物と人間神経細胞の成長プロセスの類似性が明らかに

米国カリフォルニア州発:ソーク研究所の研究者チームはこのほど、3Dレーザースキャンデータ解析の結果、人間の神経細胞と植物の新芽の成長プロセスが類似していることを発見したと発表した。

同チームの統合生物学科 Saket Navlakha 助教によると、自然界における植物の形状決定には苛酷な自然環境などに対処するといった要因がある一方で、その成長過程にはある決まったパターンがあるのではないかと考えたことからスタートしたプロジェクトだという。同助教らは高精度3Dレーザースキャナーを使用してサトウモロコシ、トマト、タバコの 3 種の植物を種子から育て、実際の自然条件と同様に照度や照明時間や温度を変えたりして約 1 か月、それぞれ3Dレーザースキャンで計測して数値化したものを解析した。

その結果、分離可能性、自己相似性、ガウス密度関数的分布の3要素があることがわかった。同チームの 1 人で分子神経生物学者 Charles Stevens 氏によると、この3要素は人間の神経細胞の発達と分化の過程とも共通するという。同氏の話「神経細胞の樹状突起と植物の新芽の成長には驚くほどの類似性が見られ、これには何か根本的理由があるはずだ。おそらく両者は共に干渉しないていどに疎らだが可能な限り自分の領域を覆い尽くそうとする働きがあるのではないか」。

今回の研究成果は専門誌 Current Biology 電子版上で公開されている。

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2017年7月3日月曜日

ケベック州、医療向け3Dプリントセンター設立へ

カナダ・ケベック州発:ケベック州政府はこのほど、総額約 300 万カナダドルを投下して、同国初の州立医療向け3Dプリントセンターを州都ケベック・シティに設立する計画を発表した。

ケベック州地方紙の報道によると、この医療向け3Dプリントセンターは同州産業研究センター( CRIQ )とラヴァル大学ケベック医療センター( CHUQ )との協業で実現した。今回の設置計画は医療用機器や医療技術向上とともに、医療分野における3Dプリントのメリットをケベック州民に提供するのが目的。

ケベックシティでは現在、2 台の医療用3Dプリンターが稼働中で、顎癌患者の再建用金属インプラントの作成などに使用されている。今回の設置計画は同州の研究イノベーション戦略の一環。協業提携する CRIQ は 5 年ほど前から3Dプリント技術の持つ将来性に着目し、CEO の Denis Hardy 氏はこの医療向け3Dプリントセンターによって同州の医療ネットワークの自律性および医療分野における科学技術の進歩の恩恵の数々にあずかれるようになると期待を込めている。

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2017年7月1日土曜日

超音波で高速出力可能な3Dプリンターの概念モデルを公開

リトアニア発:ヴィリニュス市に本拠を置く各種認証システム向けアルゴリズムおよびソフトウェア開発の Neurotechnology 研究者グループはこのほど、超音波で物質分子じたいを動かして高速出力する「超音波3Dプリンター」概念モデルの試作機を発表した。

プロジェクト主幹の Osvaldas Putkis 博士によると、原理は造形スペースを取り囲むように配置された超音波変換器を制御して「圧力プロファイル」を作り、数 µm 単位で向きを変えたり回転させたりするという。現時点では PCB 基板に小型コンデンサーなどを機械的接触なしで動かした後にレーザー溶着することくらいしかできないが、この新技術は液体状態の対象物でも応用可能だとし、この場合、液体樹脂から短時間で最終生産物が作成できることを意味している。

Putkis 博士によると機械的接触ゼロで所定の位置まで精確に移動させたり回転させたりが可能なので、静電気に極めて敏感な極小電子部品の製造にも最適な点も挙げている。同社はこの「超音波3Dプリント」技術の特許を申請中だ。





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