2013年10月18日金曜日

3D プリンター普及の道のりはまだまだ遠い ? 

米国の調査会社 Gartner は 10月 2日、全世界での3Dプリンター販売台数に関するレポートを公表した。それによると 2013年末まで、10万米ドル未満の 3Dプリンター総出荷台数予測は、前年度比の 2倍近い 56,507台にまで達すると見込まれている。

同レポートによると、西ヨーロッパにおける 2013年の 3Dプリンター出荷総数は 14,335台と予測しており、2014 年末には 42.6 %増の 24,784 台になるとしている。

とはいえ、たとえば Appleの場合、iPhone 5S / 5Cの販売総数が 56,507台に達したのにかかった時間は 20分にも満たなかったのに比べるとものの数ではない。iPhone 5S / 5Cは販売開始からたった 1週間で、全世界で 900万台を売り上げている。

同レポートを書いた Gartner のリサーチ ディレクターによると、3Dプリンターの販売台数がある時点から急伸している点は認めながらも、コンシューマー向け製品としてはまだ主流ではないという。「3Dプリンターの売上はここ数年、横這い状態が続き、ここにきて急上昇に転じつつある段階だが、現時点では Wi-Fi への接続などの敷居が高く、買ってすぐシームレスに使える、というものではない」。

「2Dプリンターの一日当たり出荷総数は全世界で 293,000台にものぼるが、3Dプリンティング テクノロジーの現状はと言えば、コンシューマー向けの主流をなすまでには至っていない。たとえ5年後でも、あまねく普及するということにはならないだろう」。また、3Dプリントが現行の製造業を破壊する脅威となる、との一部識者の見方について同氏は、少なくとも短中期的にはそんなことはないだろうという。

3Dプリンターが一部ホビーマニアの道具という領域から脱皮できるかについて、同氏はまず使い勝手の劇的な向上と完成品質の大幅な改善、そして付随ソフトウェアの改良にかかっていると言う。企業ユースレベルではたとえば補聴器など、従来の工法では不可能な、高度にカスタマイズの要求される分野においてすでに 3Dプリンティング技術の実用化は進んでいる。

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