10月18日、ニューヨーク証券取引所 ( NYSE ) に ADR( 米国預託証券 )を初上場したドイツの産業向け大型 3Dプリンター メーカー、Voxeljet AG (VJET.N) は、 取引開始早々に高値をつけて関係者を驚かせた。
同社 ADR は1株当たり下限価格の 13ドルで売り出されたが、取引開始直後から急上昇し、 売出価格の2倍超となる 27ドルの最高価格をつけた。同社と同株保有者は 650万ドルを販売した段階で、8, 450万ドルの利益を得たことになり、 公開価格が低すぎたのではと疑問視する向きもいる。
Voxeljet AG は、一般消費者向けの 3Dプリンターを量産するメーカーではなく、 企業向けに特化した大型 3Dプリンターメーカーだ。2012年公開の映画「007 スカイフォール」で使用されたアストンマーチン DB5の精巧なレプリカ 3台も、同社の大型 3Dプリンターで製作された「作品」だ。
近年、プリンター製造コストが低下するいっぽうで、 3Dプリンターの需要は急伸し、 業界大手各社の株価も軒並み値上がりしている。たとえば産業向け 3Dプリンターメーカーの ExOne Co は2月に株式を新規公開して以来、価格は 2倍に跳ね上がり、3D Systems は前年度比でやはり2倍以上をつけている。反対に、 Stratasys Ltd 株は 70ポイント高にとどまっている。
Voxeljet AG の報告書によると、6月末締めの2013年度半期の利益は 580万ドル、計上損失は 48万9,000ドルだという。またある投資会社によると、Voxeljet AG は今後、未開拓のアジア太平洋地域へ事業拡大する計画だという。同社は、今回の IPO で得た利益をオンデマンド・プリント事業や新規の研究開発に振り向けたい考え。
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