米国マサチューセッツ州発:MakerBot は 11月 21日( 現地時間 )、ボストンのニューベリー・ ストリートに直営店をオープンした。直営店出店は、 昨年オープンしたニューヨーク店に続いて、2店舗目。
「頭で思い描いたものが現実に作れるようになり、 手にすることができる」。同社創立者の一人で現 CEO、Bre Pettis 氏は開店初日にこう述べた。「世界中でただ一人、 自分が欲しいと思うものをご自身で生み出すことができるようになる」。
20 年以上もの間、 エンジニアやメーカーが使用してきたのは大型かつ高価な 3Dプリンターだったが、MakerBot は一般ユーザーが使えるほどシンプルで、ハイエンド PC や大画面 TV 並みの出費で買えるプリンターを製造する。
直営2号店となるボストン店では今後、オンデマンド 3Dプリントサービスも提供開始の予定だ、と Pettis 氏は述べた。
同社がボストンに直営店を開店するにはもっともな理由がある。「 弊社製品の顧客の中心地が、まさにここボストンだ。 これまでもボストン市内の学生寮などに弊社製品を多数、 納入してきた。 弊社製品なら小型冷蔵庫の上に載せてもぴったりなサイズだからね」 と同氏。
またボストン周辺は、 3Dプリント関連産業が多く集まっているエリアでもある。 MIT メディアラボのスピンオフである Formlabs もその一つ。サマーヴィルに本拠を置く同社は 2014 年2月、3,300 ドルの新型 3Dプリンターをリリース予定だ。またケンブリッジに本拠を置く MatterLabs は、Web ブラウザ内で動作する CAD ソフトを制作し、ボストンに本拠を置く新興企業 3-Spark は電気回路を内蔵したオブジェクトの造形が可能な 3Dプリンターをもっか開発中だ。
MakerBot ボストン店には、12 歳の Leon McCarthy 君も来店し、Pettis 氏と共に開店記念イベントに参加していた。Leon 君は左手の指が欠損した状態で生まれた。父親の Paul氏は、 3Dプリントアウト可能な義手造形のためのソフトウェアを開発し た「Robohand Project」のことを知り、McCarthy 氏は 3Dプリンターを借り受けて息子のための義手を自作し た。イベントで Leon 君は Bre Pettis CEO と共に、3D プリンターで自作した義手を来店者に披露した。
Leon 君は、 従来の方法で義手を製作してもらったら何万ドルもかかったと思う と語った。「MakerBot の 3Dプリンターなら、( 材料費は )5ドルだよ」。
げんに、Leon 君がフットボールのプレイ中にボールをつかもうとした時、父親と作った義手を壊してしまったが、 新しいパーツを造作なくプリントアウトした。「 こんどはもう少し人間の手らしくしたい。 関節にもっと丸みをつけたい」。
画像:Bre Pettis MakerBot CEO と Leon McCarthy 君( Reuters 配信 )。