2013年12月1日日曜日

オレンジの皮で 3Dプリント ?! 

英国発:持続可能型のデザイン プロジェクトを手がける英国のデザイナー  Alkesh Parmar 氏が近年取り組んでいるのは、廃棄物ゼロの生産システムだ。その良い例が、食品廃棄物から新素材を生み出す「APeel」プロジェクトだ。

Parmar 氏によれば、飲料製造業から発生するオレンジの種や房、皮など、食用にならない廃棄物の多くは家畜の餌に加工されているが、動物にとってはむしろ有害になる場合があるという。
そこで同氏はオレンジやレモンといった柑橘をブレンドしたものに有機由来の結合剤を加えて固め、環境に負荷のかからない材料へと変える。使用する道具もすべて再利用品で、必要に応じて手を加えたものだ。

「このような生ゴミから、完全な生物分解性を持ち、かつ持続可能な素材の実現を目指して研究と開発に取り組んできた。その結果、ある特定の方法を使えば、オレンジの皮のような生ゴミも、好ましい順応性と強度を備えた持続可能な素材に変わることが証明された。従来の持続不可能な素材に置き換わる可能性もある」と Parmar 氏は述べている。

このデザイン プロジェクト全般を通じ、エネルギーと水の消費は最小に抑える一方、自然由来の資源は最大限活用して、従来工程で発生する廃棄物から生物分解される、環境にやさしい最終生産品を送り出すことで付加価値を生み出している。「APeel」は現在、特許出願中だ。

動画は、「APeel」で生成された素材を 3Dプリントに応用した実験だ。