2014年5月25日日曜日

英国のベンチャーラボが世界初の「フルーツ」専用3Dプリンターをリリース

英国ケンブリッジ発:2011年、ケンブリッジに設立された革新的デザインを専門とするデジタルラボ Dovetailed は現地時間の 24日、世界初の食用フルーツ生成専用の3Dプリンターをリリースすると発表した。このフルーツ専用3Dプリンターは Microsoft Research Cambridge と共同開催するハイテクと食に関するハッカソン「Tech Food Hack」にて一般に披露する。

同社によれば、このフルーツ専用プリンターはリンゴや西洋ナシなど、どんなフルーツでもわずか数秒以内で造形可能だという。

このプリンターは、粒状化技術( spherification )と呼ばれる分子ガストロノミー術を応用して人工的にフルーツを作り出している。粒状化技術は水分を小さな球体に変える技術で、その原型となる工程は 1950年代に家庭用品総合メーカー Unilever が開発していたものの、調理法への応用が開始されてからまだ 10年程度しか経過していない。粒状化には大きく二通りの方法があり、Dovetailed がどちらの方法を採用しているかは現時点では明らかではないが、自然果実から採れた液体もしくはピューレに少量のアルギン酸ナトリウムを配合して果実を生成する方法を採用しているものと思われる。プリンターのノズルからはこの粒状の果実がキャビアのように排出される仕組み。

Dovetailed の開発責任者 Gabriel Villar 氏は次のように述べる。「このまったく新しいプリント技術により、既存の自然果実に留まらず、オリジナルのフルーツも作り出すことができる。味、肌触り、形状や大きさもすべてカスタマイズ可能だ」。

とはいえこのフルーツ専用3Dプリンターの使用に際しては、分子ガストロノミーに関する知識などは一切不要。クリエイティヴな料理体験に興味のある一般のグルメおよびプロの料理人をターゲットにしている。このプリンターで生成される果実はすべて自然果実由来のものだ。

24日にケンブリッジ市内で開催される「Tech Food Hack」は食通、ハッカー、デザイナーの小グループが集い、新しい食のあり方を考えるイベント。Dovetailed は共同開催者の Microsoft Research Cambridge と、このフルーツ専用3Dプリンターの共同開発を進めてきた。

参照元記事1.
参照元記事2.