2014年7月7日月曜日

現行3Dプリンターより「10倍高速な」プリンターを 15歳少年が開発中

米国発:昨今、もっとも重要視されるのがスピード。文書のプリントアウトは約5-10秒、スマートフォンのブラウザが Webページ表示にかかる時間も1、2秒に過ぎない。だが3Dプリンターとなると、こうはいかない。3Dプリンター、とりわけ家庭向けのデスクトップタイプは比較的新しい技術の産物で、バスケットボール大のオブジェクトを造形すれば丸一日、ルービックキューブのような小物でも造形に数時間はかかる。3Dプリンターがコンシューマー市場に登場して以来、高速化という点では遅々たる歩みだった。この現状に変化をもたらすのは、弱冠 15歳の米国人少年と彼の会社かもしれない。

カリフォルニア州在住の Thomas Suarez 君は 11歳の時、IT ベンチャー CarrotCorp を設立。彼とその会社がモグラ叩きゲームの iPhone アプリ「Bustin Jieber」をリリースした時にはメディアの注目を集めた。以来 TED Talk に登場したり、BBC News にも取り上げられ、多くの著名人と会う機会にも恵まれた。

そんな彼が3Dプリントに興味を抱くようになったのは、2012年に MakerBot 創業者で CEO の Bre Pettis 氏と会った時だ。「父に3Dプリントについて話したら、あんなのは非現実的だ、と言われた」と、Thomas 君は当時を振り返って言う。「ちっとも信じてなかったんだ」。

それからまもなく、Thomas 君は3Dプリントが「現実的」であることを証明することに決め、さっそく MakerBot 本社内の「Botfarm」と呼ばれる施設を見学した( Pettis 氏とはそこで会った )。今では彼の父親もすっかり3Dプリンター信者となり、Thomas 君も3D テクノロジーにますますのめり込んでいった。そしてついに、現行デスクトップ3Dプリンター最大の壁克服へと乗り出すこととなった

Thomas 君の会社 CarrotCorp は5日( 現地時間 )、「これまで製造された3Dプリンターで最も先端的かつ最高の信頼性を誇る、世界最速の」3Dプリンターを開発していると発表した。彼によれば、現行デスクトップ3Dプリンターと比べて 10倍高速な造形を目指すという。

3D Systems は、Google の「Ara」プラットフォーム向けスマートフォンモジュールの生産用として超高速3Dプリンティングシステムを開発したが、こういった産業用ハイエンドモデルの価格は1台当たり100万ドル超だ。Thomas君が申請中の新型3Dプリンターに関する特許は、我々ユーザーが真に望む速さに近い3Dプリンティング処理を、一般コンシューマー向けモデルで実現させようとするものだ( 動画は、BBC News サイト配信のもの )。





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