2014年8月28日木曜日

ロシアで3Dプリント下着がお目見え

ロシア発:ロシア議会は先月発効の新衛生規制法によって、国民から批判を浴びている。新衛生法は、化学繊維の混合割合が高いレース下着の国内生産および流通を禁ずる、というもの。だが、この新規制が気に入らない向きには、まだ対抗手段は残されている ―― 3Dプリンターで自作すればよいのだ。

今月、デザイナーの Viktoria Anoka 氏はモスクワに本拠を置く 3DPrintus に、ドイツのランジェリーブランド Lascana がサンクト ペテルブルクで開催されるテクノロジー展「Geek Picnic」に出品するパンティーを3Dプリンターで製作した。

「今まで受けた依頼で一番クレイジーだった」と 3DPrintus の創業者で CEO の Konstantin Ivanov 氏。3か月以上を費やしたこの企画は、ロシア初の3Dプリントパンティーとなった。

モデルの1人 Anastasia Belousova 氏は、この3Dプリントパンティーを「面白いけど、日常用途には不向き」と評した。

現在、モスクワ市内には 3DPrintus のような3Dプリントサービスを提供する企業が十数社ある。3DPrintus ではデザイナーに3Dデータを同社の運営するオンラインプラットフォームにアップロードしてもらい、顧客がその製品と素材を選択し、プリントを依頼する。「クリエイターにとっては工場生産するより安価に製品を公開できる」と同氏は言う。

3DPrintus では現在、ステンレススチール素材から出力するサービスも行っている。金や銀といったパウダー状にした貴金属素材からの造形も試験中で、複雑な形状の作成も可能だ。記者も全身の3次元スキャンデータを基に「3D自分撮り」を作ってもらった。精密な3Dメッシュデータがモスクワ郊外の大きな倉庫に設置された3Dプリンターに送信され、1週間後、「3D自分撮り」フィギュアが完成した。
服の皺から靴の細部に至るまで、そのディテールの再現度は目を見張るほどだ。

3Dプリントに関しては、たとえば銃砲類の違法製造などの危険かつ破壊的な使用目的に悪用される恐れがあることも事実だ。樹脂製の3Dプリント銃は、空港のセキュリティチェックもすり抜ける可能性がある。

今のところ、3DPrintus は女性用下着といった安全な製品のみ請け負っている。Ivanov 氏は、3Dプリントが既成の大量生産システムの代替になるという考えを一蹴するが、オーダーメイドで、しかも手頃な価格で手に入れられるという発想自体は魅力的だと語っている。

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