2014年9月16日火曜日

「完全リサイクル型」3Dプリンター実用化も近い? 

インド/米国/イタリア発:地球温暖化や環境汚染といった諸問題は、今や喫緊の課題だ。人間による活動の結果、世界は早いペースで変化しつつある。50年前と比べると環境問題は潜在的脅威と化し、環境問題を意識しない人など誰もいないと言ってよいだろう。

企業側も、環境への負荷を少しでも減らす道義的責任を負っている。循環型生産の採用や省電力化の推進によって、カーボンフットプリントを削減させるビジネス手法も一般的になりつつある。

3Dプリンティングに関して言えば、プラスチック樹脂の消費量に厳しい目が向けられている。この問題に対処すべく、環境負荷を抑える試みが実践されている。インドのフェアトレード フィラメントベンダー ProtoPrint や Plastic Bank のように、環境問題と貧困問題とを一度に解決させるようなビジネスを実践している企業もすでに存在している( → 関連記事 )。また、イタリア技術研究所の研究者チームのように、ホウレンソウやカカオ、コメといった非プラスチック素材 100%からできたフィラメントを試作する動きも出てきている。業界大手 3D Systems も「Ekocycle Cube」の発売を予定している( → 関連記事 )。

そんな中、Yangzi Qin、Yingting Wang、Luckas Fischer、Hanying Xie 氏ら4名の工業デザイナー有志からなるチームは目下、「3D Re-printer」と名付けた新型3Dプリンターのコンセプトモデルを開発中だ。このリサイクル型3Dプリンターは現段階ではまだ詳細は不明だが、使用済みプラスチックボトルを本体上部の投入口に入れると、それを粉砕して粉末素材を自動生成し、それを出力する仕組み。

デザインコンセプトについて、同チームは次のように書いている。「家庭でも学校でも職場でも、プラスチックごみは生活の一部として存在する。プラスチック廃棄物の総量は増加の一途で将来の我々の生活を脅かし、広大な埋立地が必要で、自然分解に時間がかかり過ぎることで環境破壊の原因にもなり、また都市の美観をも損ねている。3D Re-printer は、家庭から出る使用済みプラスチックボトルのごみをリサイクルして、新しい製品へと生まれ変わらせるデバイスだ」。

この「3D Re-printer」コンセプトは機能的には「Ekocycle」とほぼ同等のもののようだ。販売予定価格もまだ未定だが、リーズナブルな価格設定ならば検討の価値はあるかもしれない。

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