2014年9月27日土曜日

「全て3Dプリント楽器」のバンドが初ライヴを披露

スウェーデン発:3Dプリンターで製作された楽器のみで構成されたバンドの初ライヴが23日( 現地時間 )、披露された。

ルンド大学工学部デザイン学科教授 Olaf Diegel 氏は、「3Dプリント楽器」のパイオニア的存在として知られる。今回、演奏をお披露目したバンドはドラム、キーボード、ギター2本という構成で、すべて3Dプリントされた楽器。バンドメンバーは、同大学マルメ音楽アカデミーの学生たちだ。

3Dプリントは、他の工法では不可能な複雑形状が作り出せるし、各演奏者の要望に合わせたオーダーメイド楽器も製作可能だ」と同教授。

Diegel 氏は '90年台半ば以降、3Dプリントに携わってきたが、「3Dプリント楽器」を製作するようになったのは、ここ2年のこと。この試みには、3Dプリント技術が試作品製造にとどまらず、すでに日用品への応用も可能だという事実に注目してもらいたいという意図も込められている。

医療分野では、人工骨や補聴器具等への3Dプリントの活用がすでに始まっている。Diegel 教授自身も以前、糖尿病患者向け3Dプリント インソール( 中敷き )開発に従事している。「インソール製作はコストが高く、時間もかかる。だが3Dプリントならば、靴を買ったその場で作れる」。

今回の3Dプリント楽器製作について、Diegel 教授は次のように語った。「ミュージシャンはクリエイティヴである反面、とても保守的だ。だから彼らがどんな反応を示すのか興味があった。最初、彼らはプラスチックでできたギターを訝しげに見ていたが、いざ弾き始めると、高音質のエレキギターと同じように弾けることに驚いていた」。