2014年10月11日土曜日

世界初の3Dプリント EV車「Strati」

米国発:将来、愛車が故障したり、買い換えたいと思ったら、新しいクルマをプリントアウトすれば済むようになるかもしれない ―― それもたったの 44時間で。

アリゾナ州フェニックスに本拠を置く Local Motors が世界初の3Dプリントで製作した電気自動車( EV )の走行試験をこのほど公開した。

「Strati( イタリア語で「層」の意味 )」と命名されたこの EV 車は、特製の3Dプリンターでシャーシごと一体成形されている。タイヤ、ホイール、バッテリー、電気系統、サスペンション、駆動モーター、ウィンドウシールドといったパーツのみ、従来の製法で製造されているものの、使用部品点数は従来製法で製造された自動車よりはるかに少なく、49点しかない( 通常、一般的な自動車には約 5,000 点の部品が使用されている )。最高速度は 64km/h。

「Strati」製作は先月、シカゴ市内で開催された 国際製造技術ショー 2014 の6日間の期間中に行われた。ツーシーター仕様の「Strati」は、黒のプラスチック樹脂を専用プリンターで積み重ねて造形され、さらにカーボンファイバーで剛性を高めてある。

Local Motors の CEO John Rogers 氏は次のように述べている。「弊社は、カーボンファイバー強化熱可塑性樹脂でできた世界初の3Dプリント自動車メーカーとなった。座席、ボディ、シャーシ、ダッシュボード、センターコンソール、フロントフード等はすべて3Dプリント製だ」。

同社では、今後「Strati」の一般市販も行いたいとし、販売予定価格を約 17,100 USD と設定している。

「Strati」製造に当たり、工作器具メーカー Cincinnati Inc3Dプリンターを提供した。この専用プリンターの最大造形サイズは1x1.7x3m。「Strati」製作時間は、わずか 44時間だ。

Local Motors は2007年に設立され、3Dプリントによる二輪車、電動スケートボード等の製作販売を行っている。Rogers 氏は、この廉価な3Dプリントによる生産方式が、従来方式よりも速くイノベーションを市場にもたらすことを期待している。

同社は Webサイト上で、近いうちに量産レベルの3Dプリントカーをリリースし、一般向けに販売する計画だと述べている。



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