2014年11月16日日曜日

3Dプリンター+自律学習ロボットは最強の組み合わせ? 

ノルウェー発:オスロ大学の研究者チームは 10 年前から、自律学習型ロボットの研究開発に取り組んでいる。

開発チームの1人で同大学情報科学部ロボット工学 / 知能システム研究チームの Kyrre Glette 准教授は自律学習型ロボットについて、次のように述べている。「将来的に、ロボットは遠い惑星の地下深くの坑道での作業や危険な土砂崩れ現場、あるいは南極の海底での任務をこなし、そこでぶつかる諸問題に自ら答えを出さなくてはならなくなるでしょう。このような苛烈な環境は、もはや人間では対処できません。すべてはロボット自らが自動制御しなければならないのです。たとえば、原発事故現場を例に挙げれば、現場に潜入したロボットはまったく想定外の場所で階段を見つけます。見つけた階段を撮影し、自ら解析します。アームの1本は3Dプリンターに接続しており、このプリンターは新しいロボット、または既存ロボットに追加機能を与える新しい部品を出力します。こうしてロボットは、自分で発見した階段に対処する術を身につけるのです」。つまり Glette 准教授らの開発しているロボットは、現場の状況に応じて自ら判断し、その現場に最適な姿形へと自ら変身する能力を持っている、ということだ。

現在、同チームが開発中の自立学習ロボットは第3世代に当たる。シミュレーション プログラムが各ロボットに対し何千通りもの想定をロードし、歩行脚は何本にするかといったように姿形を最適な状態へと変える。これらロボットは全て3Dプリント製で、研究者がテストを行う。

テストの結果、現段階ではまだ対処すべき問題が多数残っているものの、想定シナリオによってはロボットのパフォーマンスは 20-40 % ほど向上したという。現在はそれぞれ異なる設計の5台のロボットで障害物コースなどの場面での各性能を比較し、各ロボットの自己学習能力の向上を目指している。将来はロボット自ら3Dプリンターを搭載し、自力で必要な部品のプリントを実行可能にしたいとしている。

今週始め、会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツ( DTT )が公表した、オックスフォード大学との共同報告によれば、IT やロボットなどの自動化技術が多くの仕事を肩代わりするようになれば、数十年後に 1,100 万人の雇用が失われる恐れがあるという。これは英国の総労働人口の3分の1に相当する。

明るいニュースもある。たとえば先月 28 日、Google が明らかにした「ナノ微粒子」錠剤の研究開発。これは血管に投入されると、体内の血流に乗って、癌や動脈瘤などが発する化学物質を検知するというものだ。

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