2014年11月14日金曜日

1台3役のオールインワンデルタ型3Dプリンター「FLUX」

台湾発:3Dベンチャーの FLUX Technology LLC は、新開発のデルタ型3Dプリンター「FLUX」の出資者を Kickstarter プロジェクトとして募集している( 12月 22日まで )。

3Dプリンター関連では、これまでにも様々な趣向のプリンター プロジェクトが登場し、その度に話題にもなったが、今回の「 FLUX 」プロジェクトほど関心を集めた事例はなかったかもしれない。出資者募集開始当日、いきなり目標金額の 10 万 USD を突破してしまったのだから。現時点で出資金額は当初目標の5倍の 55 万 USD を超え、出資者数も 910人に達している。

なぜ、これほどの熱狂を巻き起こしたのか? 1つには価格設定がある。DIY キットでの販売予定価格は、わずか 499 USD。もちろんその機能も特筆される。デルタ型のデスクトップ3Dプリンターだが、これ1台で3Dプリンター+3Dスキャナー+レーザーカッター / レーザー彫刻機の3役をこなす。そしてその切り替えもいたって簡単で、ボールジョイント式のヘッドを交換するだけという手軽さ、工具は一切不要だ。「 FLUX 」開発チームによると、現在、追加機能の開発中で、将来的にはたとえばデュアルノズル、食材ペーストノズルなども選択可能になるという( 499 USD で提供される「 FLUX 」ベーシックキットにはレーザーヘッドは付属しない )。

「 FLUX 」は単なる3Dプリンターというより、1つの完全なエコシステムと言ったほうがいい。3Dモデリングソフト「 FLUX Studio 」はスマートフォン経由で簡単に操作でき、ブルートゥース経由で3Dデータをプリンター本体に送信する。このため PC 不要でダイレクトに造形可能。モデリング、ハードウェア制御、システム設定といった項目もほぼ全て市販のモバイル端末上で実行可能だという。またオープン モジュール SDK 仕様なので、誰でも自由に追加機能を設計したり実装することができる。

オールインワン3Dプリンター「 FLUX 」の主な仕様:

本体外形サイズ:30.5 x 26.5 x 55 cm
プリンター本体重量:5.4 kg 
最大造形サイズ:φ=17cm x H=18 cm
最大造形速度:100mm / sec 
層間解像度:0.01 - 0.3mm
ノズル径:φ=0.4 mm
スキャナーセンサー:1.3 M ピクセル CMOS
スキャナー波長=650 nm
スキャン精度:2-3 mm
スキャン可能最大サイズ:φ=14 cm x H=8.5 cm
レーザー波長=405 nm
レーザー出力:200 mW

レーザーヘッドモジュールは追加オプションで別途料金が必要。切断可能素材は紙素材、ホイル素材。彫刻可能素材は木、皮革、発泡ボード、段ボールなど。

Kickstarter 上の当初目標金額を突破した「 FLUX 」開発チームは、来年6月頃には同プリンターの出荷を開始、翌月には出資者にそれぞれの特典を発送したい考え。レーザーヘッドモジュールなどフル装備の金属フレームモデルの販売予定価格は 1,999 USD だ。

また、Kickstarter 上で同様に成功を収めたカナダのベンチャー Structur3D Printing が、FLUX Technology と提携し、独自開発ノズルなどを早期に提供するというのも興味深い。Structur3D Printing は「 Discov3ry 」食材ペースト エクストルーダー開発で、10 万 CAD の資金獲得に成功している。



参照元記事