2014年11月23日日曜日

プリストン大学が世界初の QLED 3Dプリンターを開発

米国発:米国プリンストン大学の研究グループがこのほど、世界で初めて量子ドット LED( QLED )を出力する3Dプリンターを開発したと発表した。

QLED は有機発光ダイオード( OLED )に比べて低消費電力で、高輝度かつ偏りのない色再現を可能にする。同大学助教 Michael McAlpine 氏率いる開発チームによれば、新開発した QLED 3Dプリンターは、たとえばコンタクトレンズ上にディスプレイ装置を組み込むことが可能になるという。

QLED は極薄で柔軟性があり、透明なため、コンタクトレンズ上にディスプレイが製造できる。McAlpine 氏は次のように述べている。「マイクロエレクトロニクス産業が得意としてきたのは TV や携帯電話など、平面画面を持つガジェットの製造だ。3Dプリンティングは、それを3次元構造へと変える。これまで想像もつかなかったような装置が実現可能になる」。

McAlpine 氏の開発チームはこの QLED を5層のリング構造で試作した。最下層は銀ナノ粒子からなり、これが導電回路となる。次にポリマー2層の通電層、その上に量子ドットを構成するセレン化カドミウムナノ粒子層が続き、最上部にガリウムインジウム共晶カソードが来る。同氏によれば、この QLED 3Dプリンターの開発には2年かかり、開発費用は2万 USD ほどかかったという。この試作品は1回の工程で製作されている。

これまでにも3Dプリントによる QLED 試作に成功したと主張する研究者はいたが、McAlpine 氏らのグループと異なり、「完全な」3Dプリント製ではなかった。

McAlpine 氏は、今回新開発したような3Dプリンターの価格が下がれば、一般の人も TV や PC ディスプレイの DIY が可能になる日が来るだろうと考えている。同氏チームが次に目指すのは、3Dプリント トランジスターの開発だ( 同開発チームは昨年、人工耳を3Dプリントで製造することに成功している )。

参照元記事1
参照元記事2