2014年12月22日月曜日

FDM 3Dプリンター用再生フィラメント生成機「 ProtoCycler 」

カナダ発:トロントに本拠を置くスタートアップ ReDeTec は現在、独自開発したフィラメント リサイクラー「 ProtoCycler 」生産に向けた資金調達キャンペーンを Indiegogo 上で展開している( 社名は、Renewable Design Technology の略記から )。

同開発チームによれば、「 ProtoCycler 」は樹脂ペレットをはじめ、プリントに失敗した造形物や破損した造形物などを粉砕・溶解して、再生フィラメントとして FDM( FFF )方式3Dプリンターで再利用を可能にするデバイス。「 ProtoCycler 」を活用すれば、1kg スプール当たりコストはわずか5USD しかかからないという。

Indiegogo 上のキャンペーンによれば、「 ProtoCycler 」は分速約 30 cmで再生フィラメントを生成可能( 1kg スプール分の生成には約2時間を要する )。金属製ホットエンドの温度は 400 °C にまで達し、市販フィラメントの大半は溶融できるとしている。特許申請中の新技術「 MixFlow 」によって、再生フィラメントの安定供給を実現しているという。再生フィラメントの形状安定性は、プリント作業中のトラブルを回避するためにも不可欠だ。

粉砕操作は手動ハンドルで行うものの( 安全性最優先のため )、フィラメント生成、供給および巻取りはすべて自動。まず ABS および PLA を選択し、「開始」ボタンを押すだけ。他素材との組み合わせやマルチカラー素材については、あくまで試験的用途に留まるが、ユーザー自ら手動設定を行えば可能になる。開発チームは、今後のファームウェア定期更新に反映させるため、購入者に対してフィードバックを勧めている。

同社が「 ProtoCycler 」のコンセプトを思いついたのは3年前のことで、製品化にとりかかったのは翌年になってから。製作した試作品は延べ 10 台以上。15 か月後、粉砕用グラインダーとエクストルーダーを統合した現行品にたどり着いた。なお「 ProtoCycler 」は、米国保険業者安全試験所( Underwriter Laboratories Inc. ) の安全認証済み製品だ。

「最初は他社製品に基づいた設計で試作品を作っていたが、性能面、安全面、信頼性で満足できなかった。そこで、一から設計をやり直すことにした。結局、製品化に2年もかかってしまったが、その甲斐はあったと思う」と、同開発チームは言っている。

同キャンペーン支援者は、小売予定価格の1割引の 699 USD で購入できる。期日は 2015 年1月 31 日まで。現時点では目標調達金額の 80% 以上の 59,693 USD が集まっている。同社によれば、「 ProtoCycler 」出荷開始時期は 2015 年8月頃になるとしている。

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