2015年1月5日月曜日

複雑な機構の精密部品も一発造形を可能にする「 MICA Freeform 」

米国発:従来の3Dプリント技術では、複雑な形状を持つミリ単位の精密部品の造形は不向きと考えられていた。だが、医療機器や宇宙開発、半導体の試作といった精密さを要求し、かつ従来方式による生産限界の打破を望む産業には、1999 年創業の Microfabrica Inc. という選択肢を考えてよいかもしれない。

ロサンゼルス市バンナイズに本拠を置く同社は、独自の3Dプリント技術「 MICA Freeform 」による精密な金属部品の設計および製造サービスを提供している。

Microfabrica の「 MICA Freeform 」は、通常の3D CAD データを基に、「 Layerize 」というモデリング ソフトウェアでスライスし、それをフォトレジストパターンとして積層出力して造形する。この方式の利点は許容誤差を従来の選択レーザー溶融( SLM )方式より抑えられる点にあり、わずか2μm だとしている。SLM 方式が移動するレーザービームの当たった部分単位で金属粉を焼結して造形するのに対し、同社の「 MICA Freeform 」では、積層面全域に斑なく積層させることにより仕上げ処理等の後工程が不要で、そのまま最終生産物として量産化できることもメリットとして挙げている。

SLM 方式の利点は造形可能な素材が多岐に渡り、しかも高速造形ができることにあるが、「 MICA Freeform 」では生産コストの高い、より高精度な精密部品の量産に適している。同社によれば、従来工法では多数の部品点数を必要とした機構を持つ部品も、1度の造形で出力できるのも大きな特徴だとしている。


「 MICA Freeform 」の利用は至って簡単だ。出力して欲しい製品の 3D CAD データを同社に送るだけでよい。「 Layerize 」ソフトウェアで出力後、技術者との最終確認を経て「 MICA Freeform 」工程に最適化して生産、納品となる。取り扱い可能な金属は valloy-120( ニッケル-コバルト )、パラジウム、銅、ロジウムなど。

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