2015年3月23日月曜日

6歳の少年に3Dプリント義手を贈るコンペが開催

カナダ・オタワ発:現地時間3月 20 日、6歳の少年は憧れの「アイアンマン」になった。

オタワ市に住む Sebastian Chavarria 君は、左手が形成不全のまま誕生し、その後も呼吸困難などの問題に悩まされ、2年前には気管切開術も受けた。両親は、世界的な3Dプリント義肢提供オンライン ネットワーク Enabling the Future を介して既に3Dプリント義手を愛息のために無償提供されていたが、Sebastian 君が成長するにつれ、それは合わなくなった。Sebastian 君は、双子のきょうだい Nicolas 君ができる事を自分もできるようになりたいと願ってきた。

そこで母親の Lety Chavarria さんは、オタワ大学で機械工学を教える Hanan Anis 氏に相談した。Anis 氏は昨年 11 月から学生を対象にコンペを開催し、Sebastian 君にぴったりな3Dプリント義手のデザインを募ることにした。

このコンペは盛況で、73 名の学生が「作品」を出品した。20 日、Sebastian 君が上位3作品から選んだのが、同大学2年に在籍して機械工学を専攻する Robert Rayson、Shannon Lee の2名が製作した、アイアンマン ライクな3Dプリント義手だった。学生チームによれば、この3Dプリント義手の製作費は「 100 ドルもかかっていない」が、完成まで 100 時間以上かかり、直前まで調整に追われたという。また、今回の3Dプリント義手は、設計段階から全て自分たちで行ったという。

同大学には Makerspace が新設されたばかりで、3Dプリンターを始めとする最先端テクノロジー機器が揃い、誰でも自由に各自の作りたい物を設計製作できるようになっている。

晴れて Sebastian 君に選ばれた Shannon Lee、Robert Rayson 両氏は賞金として 1,000 CAD を獲得した。

Lety Chavarria さんは次のように感謝している。「他の子供がするような簡単な事ができるようになったわ。2本の手があるということをすごく嬉しがって、誰にでも義手を見せたがって仕方ないの」。

Robert Rayson 氏は次のように語った。「従来製法の義手は、子供の成長に合わせて2年ごとに1万ドルも払わなければならない。だが3Dプリント義手なら、1年当たり 20 ドルほどの出費で済む。成長に合わせて細かな変更やデザインの改善を行えばよいから、一生涯、対応できる」。




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