2015年3月29日日曜日

「メタボ」なヒョウモンガメに3Dプリントの甲羅を

米国コロラド州発:コロラド技術大学の学生はメスのヒョウモンガメの甲羅に生じた問題を解決するために、3Dプリントの力を借りた。

このヒョウモンガメ「クレオパトラ」がゴールデン市のキャニオンクリッターズ爬虫類レスキューに持ち込まれたのは、数年前のこと。「彼女」が抱えている甲羅の問題とは、タンパク質の多い食べ物を摂取したことに起因する甲羅の異常な隆起( ピラミッド化 )。言い方を変えれば、カメ属のメタボリックシンドロームだ。

栄養面については、同レスキューに来てからは改善されているとはいえ、このまま放置すれば、仲間との接触時に甲羅が傷つき、感染症に罹患する危険性が高まる他、転倒時に自分で起き上がることもできない。

そんな時、同レスキュー所長 Nicola Novelli 氏が、救出された爬虫類についての公開レクチャーを開いた時、たまたまその場に居合わせたコロラド技術大学の関係者が手を挙げ、同大学で設計を学ぶ Roger Henry 氏が「人工甲羅」の製作に当たった。

Henry 氏は3D CAD 作成及び、「 MakerBot Replicator 2 」での縮小版モデル試作に約 600 時間を費やし、クレオパトラにぴったりフィットする「人工甲羅」型の3Dデータを作成した。同氏はそれをデンバー市のショップ 3D Printing Store に持ち込み、同ショップ側が3Dプリンター等を提供してこの「人工甲羅」が完成した。

新しい「甲羅」はクレオパトラに面ファスナーで固定されたが、軽量なため、彼女は存在自体に気づかない様子だ。これで彼女は安心して仲間と共存できるようになった。

クレオパトラは人間で言えばまだ 10 代の若い娘だ。ヒョウモンガメは 80 年は生きると言われ、彼女は今後、現在の2倍から3倍の大きさにまで成長すると見込まれている。そのため、数回はこの「甲羅」を交換することになるだろう。

参照元記事1
参照元記事2