2015年4月14日火曜日

シングルヘッド FDM 機で3色マルチカラープリントを実現する「 Diamond Hotend 」

デンマーク・コペンハーゲン発:現在、市販されている3Dプリンターで最も一般的なFDM 方式デスクトップ 3Dプリンターでは、サーモプラスチック製フィラメントを溶融するホットエンド1基が出力できるのは単一のフィラメントに限られている。マルチカラー出力可能な製品は、複数のホットエンドとエクストルーダーノズルを装備した機種に限られていた。

とはいえマルチカラー対応を謳う機種にもいくつか問題があり、たとえば各ノズルヘッド高は造形物表面から均一で、各ノズルヘッド間の距離も注意深くキャリブレートしなければならず、また3Dオブジェクトを正確に出力するためにはプリンターソフトウェア側の微修正も必須になる。アイドル状態のノズル口から不要なフィラメントが垂れる場合もあり、いずれの問題もせっかくの苦心の作を台無しにしかねない。

3Dプリント関連サービスの RepRap.me は現在、シングルノズルタイプの3Dプリンターで最大3色を同時出力する「 Diamond Hotend 」の開発と、量産化に向けた資金調達キャンペーンを Kickstarter 上で実施している。資金調達キャンペーンは現時点で、既に目標額の2倍以上の 328,616 DKK に達した。

同社の開発した「 Diamond Hotend 」は、異なる3種( 色 )のフィラメントを独立したチャンバーに供給し、それを「ダイアモンド型」特殊ノズル口へと接続させて3色マルチカラープリントを実現している。この3色同時プリントには3つの方法があり、1). 平面 / 垂直面毎に色を切り替える、 2). 任意の色を混合して色を作る( 50 % グリーン + 50 % レッド =オレンジなど )、3). 不要色を完全に排出後、異なる色でプリントという工程を繰り返す( クリアな仕上がりになる )。対応フィラメントは 1.75 mm 径の PLA、ABS、HIPS( 耐衝撃ポリスチレン )、フレキシブル、PET-G。

同社によると、この3色同時プリント可能シングルヘッドは市販製品のカスタマイズ用として開発され、現時点での対応製品は bq WitboxPrusa i3 になる。同社は他の3Dプリンターベンダーとも協議中で、既に数社が、それぞれの製品への対応インターフェイス組み込みを前向きに検討しているという。将来的には MakerBotDuplicatorUltimaker といった人気製品に対応するコンバージョンキットも用意する計画も立てている。

この「 Diamond Hotend 」を使用するには、取り付ける3Dプリンタードライバー側も複数エクストルーダーに対応していることが条件になる。場合によってはドライバー更新が必要だ。

Kickstarter 出資者を対象とした「 Diamond Hotend 」の発売開始時期は6月頃になる見通し。また、今後のバージョンアップではレッド、グリーン、ブルー、ホワイト、ブラックの計5色の同時出力化を考えているという。もしそれが製品化できたら、グレースケール出力およびフルカラー出力も可能となる。



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