2015年5月8日金曜日

3Dプリント製エンジン搭載の次期「 Dragon 」宇宙船の脱出試験が成功

米国フロリダ州発:SpaceX は現地時間( EDT )5月6日午前9時、2017 年にも打ち上げを予定している新型有人宇宙船「 Dragon V2 」の「発射台脱出試験( Pad Abort Test )」をケープカナベラルの SpaceX Space Launch Complex 40 ( SLC-40 )で実施した。同試験は概ね当初の計画通りに進み、成功した。同社の ISS 無人補給船「 Dragon 」は、ここから打ち上げられている。

今回の脱出試験は、「 Dragon V2 」の脱出システムが正常に機能するかを検証する重要なプロセスの一環。同宇宙船用脱出システムに使用されている8基の「 SuperDraco 」推進エンジンは、3Dプリント技術を用いて構成部品が製造されている。

宇宙船の脱出システムは宇宙飛行士の安全にとって不可欠なものであり、かつてのアポロ計画に使用された「 Saturn V 」にも同様の脱出システムが搭載されていた。

今回、SpaceX が採用した手法は「プッシャー方式」と呼ばれるもので、船体後方から押し上げて問題の発生した本体から切り離す方法( アポロ計画では有人カプセル先端に取り付けた「小ロケットタワー」によって切り離す方式だった )。

同社によると、今回の脱出試験では正式運用時に搭乗予定の7人の宇宙飛行士の代用としてのダミーと、アルミ塊が搭載された。3Dプリントで製造された部品を含む8基の推進エンジンは、試験船を 1,500 m 上空へと打ち上げ、カプセルを後方の本体から切り離し、約 90 秒後、大西洋上に無事着水した。

同社共同設立者で現 CEO の Elon Musk 氏は次のように述べた。「 Dragon は 1.2 秒で0から一気に 時速 160 km に達し、結果は上出来だ。本番同様に飛行士を搭乗させて行ったとしても、彼らは最良の状態で帰還したはずだ」。

同社によれば、2017 年の本格運用時には、同宇宙船の有人カプセルは海上での着水ではなく、ソユーズ宇宙船と同じく陸地に軟着陸させるとしている。



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