2015年6月14日日曜日

2017 年、「北のヴェネツィア」に3Dプリントロボット製の橋が出現する ?! 

オランダ発:首都アムステルダム市は数多くの運河が織りなす美しい景観で名高い。その運河には 1,280 もの橋が架かっており、現存最古の橋は 1648 年に架けられたものだという。

デザイナーの Joris Laarman 氏の事務所では、目下、前代未聞の壮大なプロジェクト実現に向けて準備を進めている。それは、3Dプリントロボットによるステンレススチール製の歩行可能な橋を運河に架けることだ。

Laarman 氏はこのプロジェクトのために MX3D という会社を設立し、6軸制御のロボット開発に取り組んでいる。このロボットは空中で自動的に金属部材と樹脂を繰り出しては順次溶接して3次元構造物を組み上げるという極めて斬新なもので、同氏は Acotech Automation BVAutodesk, Inc. の協力を仰ぐと共に、溶接ガス調達と溶接技術支援を仏 Air Liquide から受ける。

この新技術では、従来の積層造形の限界を超える構造物がほぼ自動で組み立てられるとしており、もしこの計画が成功すれば、インフラ建設手法を根本的に変える可能性もある( この新しい建造法は、発想的には3Dグルーペンで空中にオブジェクトを描くようにロボットが3D構造物を組み上げる、と言ったほうがより正確かもしれない )。

建造する橋は全長 24 フィート( 約 8.3 m )のステンレススチール製歩行者用橋で、手工芸を想起させる繊細なデザインのもの。使用されるステンレスはデルフト大学が開発した新しい部材。工法は至って簡単で、Laarman 氏曰く、「現場でロボットを起動させるだけで、後は全てロボット任せ。2か月後には橋が完成している」。計画では2年後の 2017 年、この3Dプリントロボットを数台用意してステンレス橋を建造する予定だ。

この画期的な工法による橋が架けられる場所がどこになるのかはまだ未定だが、早くもビジターセンターが9月頃にも設置されるという。

Laarman 氏は次のようにコメントしている。「アムステルダムという都市の歴史と未来のテクノロジーとを結びつける象徴として、古い運河に新しい橋を架けるというのは両者の最良の面が引き出せて、とても素晴らしいと思った。これは単に格好の宣伝になるというだけでなく、MX3D が何もない所から橋を造り出すことができれば、橋以外のありとあらゆる構造物も、従来工法では不可能なデザインで建造可能になる。3Dプリントロボットによるステンレス橋建造は、3Dプリンティングが大型構造物建造という領域についに足を踏み入れたことを証明することになるだろう」。





参照元記事1
参照元記事2
参照元記事3