2015年6月26日金曜日

自動車製造に革命を起こすか? 3Dプリントスーパーカー「 Blade 」の挑戦

米国カリフォルニア州発:パロアルト市に本拠を置くスタートアップ Divergent Microfactories, Inc. は現地時間6月 24 日、世界初の3Dプリント プロトタイプ スーパーカー「 Blade 」を発表した。

「 Blade 」はシボレー・コルべットの半分以下という総重量 1,388 ポンド[ 約 630 kg ]のアルミニウム製ボディに、出力 700 馬力のガソリン / CNG 切り替え可能な4気筒ターボエンジンを搭載する。0-60 mph 加速はわずか 2.2 秒だ。

このプロトタイプは、ボディを3Dプリントによって一体成形するのではなく、シャシーを約 70 のノード( 接合部分 )に分けて3Dプリントする点が最大の特徴。このノード方式を採用することにより、半熟練工1人でシャシーを構成する全ノードがわずか 30 分で組み立てられ、しかも製造にかかる資本コストも従来工法の 1 / 50 に過ぎないという。各ノードはアルミニウム製で、それをカーボンファイバーのチューブで連結する。シャシー自体の重量も 30 kg を切り、これは従来工法による自動車シャシー重量換算で最大 90 % の軽量化に相当し、さらに耐久性や強度も向上したという。これはつまり、燃費の向上と道路摩耗の低減をも意味する。

同社 CEO Kevin Czinger 氏は、このプロトタイプ スーパーカーで示したかったのは、地球環境に多大な負荷をかけてきた自動車製造業界の変革にあると述べる。「さらにクリーンで、環境負荷の少ない車を求める社会の声は非常に大きくなっている。ただし、これらの車の生産工程はまるで環境に優しくない。弊社が開発したノード生産システムにより、自動車製造における資源消費とそれによって生じる汚染の低減に加え、少数チームのイノベーターによる大規模生産も可能になる。Blade が証明したように、デザインや性能面を犠牲にせず、自動車製造業にとって持続可能な道を開拓した。弊社の生産手法は、いずれ自動車製造におけるルネサンスとなるだろう。斬新かつエコフレンドリーな Blade のような車が、全世界の小規模生産施設で製造可能になる技術だからだ」。

Divergent Microfactories では、まず年産1万台を目指して「 Blade 」を限定生産する計画。それと並行して、同社ではこの生産技術のノウハウ普及も積極的に推進する予定だ。



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