2015年6月7日日曜日

3Dバイオプリントが劇的に簡単になる? 新バイオインク「 CELLINK 」

スウェーデン発:今、医療業界で注目を集めているのは、3Dバイオプリンティング関連のトピックだ。Organovo や BioBots などは既に実際の人体組織が出力可能な3Dバイオプリンターを開発している

そんな中、イェーテボリに本拠を置くスタートアップ CELLINK は、市販の3Dバイオプリンター( 例えば、スイスの3Dバイオプリンターベンダー Regen HU など )で使用可能な汎用バイオインクを開発した。

従来の方式では、ポリカプロラクトン等の生体適合インクの足場材の上に細胞組織を含むハイドロゲルを重ねるために独立した2つのインクノズルが必要だったが、この「 CELLINK 」バイオインクは1本のカートリッジに統合され、インクノズルが1つしかなくても同時出力ができるとしている。また、3D細胞組織培養の試験用として単体でも使用できる。このため、より精度の求められる微細な組織の出力が、従来方式より高速に実行できる。

地元大学や整形外科医と協力して開発を進めている「 CELLINK 」が出力できるのは軟骨組織で、現時点では新薬試験やバイオプリンティング試験用途として主に使用されている。現段階ではまだ技術的に困難だが、同社は皮膚組織の出力可能なバイオインク開発に着手しているという。

同社共同設立者 Erik Gatenholm 氏は次のように述べている。「3Dバイオプリンティングの現状は複雑になり過ぎており、好ましくないと思った。バイオプリンティングはこれからの医療の姿であり、我々はこの問題に今、取り組むべきだと考えた

「 CELLINK 」の販売価格は3ml カートリッジが 99.00 USD、10 ml カートリッジが 199 USD からとなっている。

このような3Dバイオプリンティングは、将来、人体臓器そのもののプリントを可能にするかもしれない。もしそうなれば臓器移植も不要になり、ただラボで3Dバイオプリントするだけで済むようになる。これは低リスクで患者の生命が救える事でもあり、その恩恵は計り知れない。

参照元記事1
参照元記事2