2015年7月5日日曜日

波力発電装置の3Dプリント プロトタイプが水槽実験へ

英国コーンウォール州発:ファルマス市に本拠を置く波力発電の Seatricity は今月、1週間かけてアイルランド・コーク州の実験施設で3Dプリントで製作した波力発電装置のスケールモデル プロトタイプの水槽試験を実施する。

「 Oceanus 2 」と名付けられたこの発電装置は、同社が7年前から取り組んできた波力発電装置の最新版。同社によると、この波力発電装置は洋上風力発電より低コストで設置でき、発電効率も風力より遥かに高いとしている。

3Dプリント プロトタイプの「 Oceanus 2 」の発電量は 162 KW で、ユニバーシティ・カレッジ・コーク流体力学・海洋研究センター内の実験水槽 Beaufort で様々な試験を受ける。

このプロトタイプは同じファルマス市内の 3D Kernow が製作した。実寸大の発電装置の製作は A & P Falmouth が担当する。実物大モデルのほうはマリングレードアルミ合金製のフロートに、波力で上下するロッドおよび陸上施設に加圧海水を送り出すポンプが取り付けられる。

実物大モデルの計画では、ヘイル市の 10 海里沖合に「 Oceanus 2 」を含めた洋上発電装置を 60 基、列状に展開し、それぞれをグリッド接続して 10 MW の発電総量を目指す。発電施設は再生可能エネルギー実験所 Wave Hub Ltd の施設を利用する。

また同社は、「 Oceanus 2 」から送られる加圧海水を逆浸透膜( OR 膜 )で濾過して淡水化することも将来的には可能になるだろうという。飲用水と電気が同時に作れる一石二鳥の装置になる可能性を秘めている、というわけだ。



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