2015年8月24日月曜日

改修後の地下鉄駅を3Dプリント模型で再現

英国発:ロンドン交通局( TFL )は、所掌のロンドン地下鉄ヴィクトリア駅改修工事計画を建設請負業者、地元当局および地域住民に対し、3Dプリントによる縮尺立体模型を使った説明を試みる。同交通局では既に数年前から3Dプリントを活用している。

この縮尺立体模型製作に当たり、TFL は印刷関連総合サービス企業の Hobs Reprographics plc に打診、同社の保有する3Dプリントのノウハウを活かすことにした。

立体模型は、まずデザインチームが現行のヴィクトリア駅を数百万から成る標本データ点を使用してレーザースキャンし、それを基に駅構内の正確な3Dモデルを作る。次にこの基準モデルに改修計画案の数値を連係させて改修後の駅構内を3Dモデルとして再現し、これを精密な SLS 3Dプリントで出力した。

駅構内を構成する電気系統、配管、通路、改札などを分かりやすくするため、立体模型にはそれぞれ目立つ色で色分けして表現。さらに改修後の同駅と地上部との関係を示すため、地上部を再現した透明ケースに立体模型全体を入れた。

従来、このような模型製作作業は手作業に頼る部分が多く、時間もコストもかかっていた。関係者によれば今回の3Dプリント模型製作について、複雑な工程不要で比較的短時間で製作可能な点などで非常に有用だとし、既に他駅の改修計画でも3Dプリント模型を採用する計画だという。

TFL の Paul Kick 氏は次のように述べている。「 Hobs Reprographics の製作した3Dプリント模型はヴィクトリア駅改修工事の全体像が一目で分かり、問題解決に役立つ。地下工事の際、このような問題点は見過ごされる場合が多いものだ」。

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