2015年9月20日日曜日

3Dプリントでカキ生育環境の復活を目指せ

米国マサチューセッツ州発:地球温暖化や乱獲などで海産資源の減少が懸念されているが、「海のミルク」カキもまた例外ではない。

1986 年にケープコッドで創業したカキ養殖業者 Woodbury Shellfish Company はカキ養殖用人工リーフを3Dプリントで製作する試みに取り組んでいる。

オーナーの Patrick、Barbara Woodbury 夫妻は海洋学者でもあり、同社は創業以来、一貫して環境に負荷をかけない方法でカキなどの二枚貝養殖に従事してきた。カキを育てる干潟は、他の魚介類にとっても安全な食物供給源であり、カキを守ることが何百もの海の生物の生態系維持にとって不可欠だという。夫妻は過去5年、減少したカキの生息数を増やすことに全力を注いできたが、このほどセラミック3Dプリントサービスの Tethon 3D と干潟の役目を果たす人工リーフを共同開発した。

このセラミック人工リーフは Woodbury 夫妻により、カキの繁殖だけでなく、本来の自然環境を回復させることも考慮されて設計された。成果が現れるのはまだ先だが、夫妻によれば既に良い結果が得られているという。

Pat Woodbury 氏は次のように述べている。「3Dモデリングソフト SketchUp による設計と、Tethon 3D のセラミック3Dプリントによって、当初考えていた通りの設計基準を満たす構造体が短期間で製作でき、湾内の養殖場で試験することが可能になった」。

世界のカキ生育環境の 85 % が乱獲、環境破壊、気候変動で破壊されていると言われている。持続可能素材のみ使用した3Dプリント人工リーフによるカキ生育環境復活への試みが、同時に利益も生むことができれば、他のカキ養殖業者にとっても従来手法からの転換を促すことになるかもしれない。

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