2015年11月15日日曜日

MTU 学生グループの再生フィラメント開発が 25,000 ドルの資金を獲得

米国ミシガン州発:ミシガン工科大学( MTU )准教授 Joshua Pearce 氏とその学生5名から成る Open Source Hardware Enterprise はこのほど、再生プラスチック樹脂から3Dプリンター用フィラメントを開発する研究で、Ford Motor Company Fund の主宰する「 Ford College Community Challenge 」から 25,000 USD の資金提供を受けた。

Pearce 氏および学生リーダー Lucas Wilder 氏によれば、同コンペに入賞したプロジェクトは、地域社会から排出される雑多なプラスチックごみを再利用した完全リサイクル3Dプリント製品の開発と販売を行うというもの。同コンペは毎年、持続可能な技術開発を行っている学生とその団体の企画を審査し、秀逸なアイディアには資金提供して実現化を後押しする。

FDM / FFF タイプの3Dプリンター用フィラメントの主流製品は現在、生分解性プラスチック樹脂 PLA と 石油由来の ABS 樹脂とに大別され、共にカテゴリー7に属する汎用プラスチック樹脂。現時点で MTU 学生グループが再生フィラメント材の製造に成功しているのはカテゴリー2の HDPE に留まっている。だがコンペで獲得した資金を活用して、カテゴリー1に属する PET 製品からも再生フィラメント開発に取り組んでいるが、PET はフィラメントとして再利用する場合、極度の乾燥が必要な事と加工温度設定の難しさが技術的なネックとなっている。

アッパー半島等の自治体は遠隔地で処理施設までの運搬費用が高くつくといった問題もあり、リサイクルがあまり普及していない。同大学産業連携部長 Pete Cattelino 氏は、今回の資金獲得により、同学生グループの試みとこれら自治体との連携で事業化に弾みを付けたいとしている。

MTU 学生グループが試作を繰り返した結果、現段階では再生フィラメントスプール 1 kg 分の製造に牛乳容器 20 個が必要だという。再生フィラメント製造にはオープンソースの RecycleBot を使用、そのコストは 1 ドル未満だ。この RecycleBot はカテゴリー1と2に属するプラスチック製品にも対応可能に改造されている。

参照元記事1
参照元記事2