2016年1月23日土曜日

超音波 + グラスファイバーで簡単に高強度素材化する技術を開発

英国発:ブリストル大学の研究者グループは現地時間 1 月 18 日、超音波を使用してグラスファイバーを合成し、強度を大幅に向上させた複合素材を作成可能な新方式の3Dプリント技術を開発したと Smart Materials and Structures 電子版に発表した。

同グループリーダーで同大学機械工学部で先端複合材を研究する Tom Llewellyn-Jones 氏によると、グラスファイバーを構成する無数の極小粒子を超音波を使用して元の素材間に配置し、この微細構造に集束レーザーで光硬化樹脂を硬化してプリントする。超音波で配合されたグラスファイバー繊維粒子は言わば鉄筋のような役割を果たし、こうしてでき上がった複合素材は加工前と比べて強度が大幅に向上したという。

同グループは市販されている一般的な3軸構成の3Dプリンターのエクストルーダーキャリッジに取り外し可能な集束レーザー装置を取り付け、通常の3Dプリント工程にこの新たな加工プロセスを追加することで強化素材化を実現した。

Llewellyn-Jones 氏は次のように述べている。「この超音波システムによって、市販の3Dプリンターに安価で取り付けて、簡単に複合強化素材化が図れることが実証された」。

試験では市販製品と遜色ない 20 mm /s というプリント速度で、超音波の定在波パターンを切り替えてグラスファイバーの微粒子を素材に配合することに成功した。将来はこの技術を応用して、従来の3Dプリント技術では不可能とされていた製品、例えばテニスラケット、ゴルフクラブ、航空宇宙用部品、釣り竿等が3Dプリントで製造可能になると予想している。

参照元記事1
参照元記事2
参照元記事3