2016年1月16日土曜日

「縄文土器」を3Dプリントで忠実に再現したアートプロジェクト「 Visions of the Universe 」

日本発:3DCG アーティスト小林武人氏は、現代テクノロジーとサブカルチャーを日本の豊かな歴史文化と融合させた3Dプリント作品を発表している。最近では茶器や仏像などを高精細な3Dプリントアートとして再解釈した作品を生み出している。そんな小林氏の最新作「 Visions of the Universe 」のテーマは、縄文土器だ。

小林氏は作品を通じてアニメや漫画といった現代サブカルチャーと日本古来の文化との関連性を探求してきた。作品制作に当たって、山梨県立考古学博物館の協力を得て、同県上野原遺跡で出土した約 5,000 年前に作られた水煙紋土器を基に、愛知県に本拠を置く3Dプリンターメーカー製品「 Babel 」で3Dプリントして制作した。作品は 11 の部分に分かれ、述べ 270 時間以上かけて完成したという。苦労したのは、モデルとなった縄文土器特有の質感の再現だった。

「デジタルテクノロジーは従来のアートでは技術的に不可能だったことも可能にする。これはポストデジタルアートの素晴らしい点の1つだと思う。日本のサブカルデザインとその概念は縄文時代から受け継がれていると考える。サブカルは縄文人のアニミズム信仰やアニミズム感覚が基盤となり、伝来仏教と同様に、アジア大陸からの影響が融合して独自の文化を創造したからだ」。アニメに登場するロボットデザインにもそれが見て取れるという。そこで表現されるのは工業機械としてではなく、高次元の力や人間を容れる器としてのロボットだ。

作品制作で使用したフィラメントは Polymax PLA で、これは通常の PLA の 9 倍の耐衝撃性があり、ABS より機械的性質に優れるという特徴がある。「 Babel 」は最大造形サイズが 300 x 200 x 200 mm で、デュアルヘッド仕様の FDM / FFF 方式3Dプリンター。

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