2016年4月18日月曜日

ペクチンゲルでキャンディーを出力するフード3Dプリンターの試作機を開発

ベルギー発:ルーヴェン カトリック大学( KU Leuven ) メカトロニクス / 生物統計学 / センサー学部博士課程に在籍する Valerie Vancauwenberghe 氏は、植物の細胞壁に含まれる複合多糖類のペクチンからキャンディーを出力するフード3Dプリンターの試作機を開発した。

ペクチンはジャムやゼリーのゲル化剤として最も普通に使用されている食用ゲル。安定性があるため、同氏はこれを使用してキャンディーの3Dプリントを着想したという。

「大学院では室温でペクチンゲルが出力可能な3Dプリンターを開発した。これで熊型グミを試作し、圧縮試験機にかけてどれくらいまで破断に耐えられるか素材特性を検証した。プリント性能を損なうことなくキャンディーをプリントするとしたら、砂糖はどれくらいが適量か、それを確かめるのは興味深いことだろうと思う。室温での伸張性も必要になるだろう」と Vancauwenberghe 氏。

ただし、ペクチンならどれでもよいということではない。果物によってその含有量は異なり、また鉄分とカルシウムを欠くため3Dプリントに適するペクチンは限られる。Vancauwenberghe 氏は様々な濃度を試し、形状が崩れず、食用に適した特性を持ち、実際の果実や野菜のような食感を追求しているという。

同氏の成果は今月 28 日に同大学内で開催されるセミナー「 360º view on 3D printing 」で発表される予定だ。

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