2016年5月5日木曜日

榎本工業、3Dプリンター / CNC ミル複合機のプロトタイプを開発

日本発:榎本工業株式会社( Enomoto Kogyo. Co., Ltd、静岡県浜松市 )はこのほど、FDM タイプ積層造形機としては国内初となる5軸制御方式を搭載した3Dプリンター / CNC ミル ハイブリッド機のプロトタイプ( 3D5X-α )を新開発した。

この5軸制御ハイブリッド機は同社と静岡文化芸術大学( SUAC )および生産管理システム開発の C & G SYSTEMS ( CGS )と共同開発したもので、5軸積層 / 切削をこの 1 台でシームレスに実行することが可能。金属加工用途の積層造形 / CNC ミルの複合機は既に市販されているが、サーモプラスチック素材を使用する FDM タイプとの組み合わせはあまり前例がない。5軸制御による積層 / 切削という新しい製造技術は、たとえば球形製品などの製作でもサポート材等は一切不要で製造にかかる時間と経費が大幅に短縮されるので、従来にはなかった新しい3Dプリントの可能性を開拓するものと思われる。

同社開発部長の川村健広氏は次のように述べている。「従来の3Dプリンターは平面積層プリントをするものが主だったが、この複合機は平面ではなく5軸方向の積層ができる。通常、3軸制御 NC ではアンダーカットといった加工はできないが、5軸制御方式なら X / Y / Z 軸に加えて傾斜 / 回転軸といった制御が可能になり、結果として非常に複雑な形状の製品も製造できる」。 

川村氏によると、同社はこのハイブリッド機を研究開発用途の試作といったプロユースでの応用を検討しており、また医療機器や人工装具、航空宇宙といった部門に特化した企業数社とも連携して商品化を進めたいとしている。同社では 1 年ほどかけてサンプル評価を行った後、2017 年頃からの販売開始を見込んでいる。



参照元記事1
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