2016年7月9日土曜日

ガスタービン試作を大幅に短縮する新方式を Siemens と ILT が共同開発

ドイツ発:Siemens のガスタービン製造部門( ベルリン市 )と Fraunhofer Institute for Laser Technology ( ILT、本部アーヘン市 ) はこのほど、ガスタービン翼製造工程を高速化する新しいレーザーベース技術を開発したと発表した。

この新しい製造技術は選択的レーザー溶融技術( SLM )を使用し、かつモジュラー連続製造プロセスを導入し、タービン翼製造工程で生じていた製造コスト等の問題を解決したとしている。

新製造技術は一般的な3Dプリンターと同様、パウダー状の超合金素材( インコネル 718 等 )を 1 層ずつ溶融 / 積層して製造する。通常タービン翼は精密鋳造工程を何度か繰り返して製造されるために完成まで数か月かかることもあり、コストも非常に高くつく。SLM ベースの新製造技術ならタービン翼試作時間を大幅に短縮できる。

またモジュラー連続製造プロセスは、最高 1500 C° に達する高温ガスを羽根車へ誘導する導翼製造において、複雑な冷却機構を内蔵する翼部分と 2 部分の巨大なプラットフォームとを別個に製造して溶着する。従来の SLM 製造法では必須だった内部サポート材を不要にし、結果的に表面精度も向上したという。

Siemens によるとモジュラー製造方式は SLM と鋳造という異なる工程を連続的に扱えるのでタービン翼製造用途に限らず、複雑な形状の大型部品製造用としても応用できるとしている。

参照元記事1
参照元記事2