2016年8月2日火曜日

ESA が AM 新研究所を設立

英国オックスフォードシャー州発:欧州宇宙機関( ESA )はハーウェルにある同機関英国拠点施設に隣接して、新しい積層造形技術( AM )研究所 The Advanced Manufacturing Laboratory を設立した。

ESA によると、この新施設での主要な目的は金属3Dプリントをはじめとする AM 技術の宇宙開発への応用を探求し、新素材 / 新加工法の開発を行うとしている。

同研究所を統括する Andrew Barnes 氏は次のように述べている。「現在、宇宙船をさらに高剛性で軽量、安価な素材で組み立てる新興技術は数多く存在するが、致命的欠陥のない最適な技術かどうかを検証する必要がある。この新研究所の目的は、実際のミッションに使用される前の開発段階で最適な素材の選定と選別を行い、ESA および航空宇宙産業が未来の技術への投資を行う際の判断基準を提供することだ」。

新施設には金属3Dプリンターをはじめ、電子顕微鏡、X線 CT スキャナーなどの最新機器を配備し、引っ張り検査や微小硬さ検査などを行う。現在、ESA では3Dプリント製 RF 複反射鏡アンテナを開発中で、昨年暮れには月面有人基地を月面表土を建材として3Dプリント工法で建造する「ムーンビレッジ」構想も発表している。ESA は「ムーンビレッジ」を 2030 年までには実現させたいとしており、既に同月面基地の3Dプリントによるプロトタイプ試作も実施している。

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