2016年10月3日月曜日

再生廃材を含む複合建材に対応した新型建設用3Dプリンター開発が進行中

ルーマニア・ヤシ県発:ヤシ市に本拠を置くデジタルデザイン建築会社 Austrocasa International Varna BG は現在、コンクリートミックス、粘土、リサイクル木材等の複合建材に対応した新しい建設用3Dプリンター開発に取り組んでいる。

同社は、「汎用積層システム技術 ( VAST )」を搭載した建設用3Dプリンターの試作機「 DesignVAST 」を今年初めに開発した。この試作機はコンクリートミックス、粘土など数種の建材を使用して3Dプリント工法による建造が可能。同社によると、今後はこの試作機をさらに改良し、ロボティクスも取り入れた製品版の「 RoboVAST 」として市場投入する計画だ。

同社は 2003 年に設立され、セルロースファイバーや再生廃材を建材として使用した持続可能型住宅キット開発と販売を手掛ける。従来このような工法で建てられた住宅やオフィスは建築コストが非常に高くつき、また運搬の問題などで僻地居住者には手の届きにくいものだった。またこのような建造物では設計者にとっても、自分のデザインが図面通りに反映されるとは限らず、実現可能なデザインも制限される。同社によるとこの3Dプリント工法ならば少ない現場作業員で従来工法と同等かそれ以上の品質の住宅を短期間で、しかも市価の半額ほどで提供できるとしている。

その解決策として同社がたどり着いたのは、3Dプリント工法であり、これは同社にとっては当然の帰結だったという。同社は「 RoboVAST 」商品化に向けて開発を進めると同時に、西アフリカのガンビアで 50 棟分の3Dプリント住宅供給に向けた提携を結ぶための交渉に入っているという。

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