2016年10月15日土曜日

MIT が多素材3Dプリントに特化した3Dプリントソフトを開発

米国マサチューセッツ州発:MIT コンピューター科学・人工知能研究所( CSAIL )はこのほど、複合素材を組み合わせた3Dデザインを一元的に作成可能にする新しいソフトウェア「 Foundry 」を開発した。成果は今月 16 日から東京で開催される米国計算機学会 UI ソフトウェア技術会議( UIST 2016 )で発表される。

開発チームの 1 人で論文筆頭筆者の Kiril Vidimče 氏によると「 Foundry 」は、「 Photoshop の3Dプリント版」。物理特性の異なる素材を組み合わせた3Dプリントを行うには、従来の方式では各パーツごとに SolidWorks のような3D モデラーで設計し、別々にプリントアウトする必要があった。「 Foundry 」はこの工程をシームレスかつ直感的に処理し、同じく CSAIL の開発した「 MultiFab 」のような多素材対応3Dプリンターでの製造を容易にする。

基本的な使い方は、まず通常の 3D CAD でモデリングした 3D モデルを「 Foundry 」にインポートし、「オペーレーターグラフ」で各素材の構成を精密にマッピングして決定する。オペーレーターグラフには約 100 通りのカスタマイズ機能が用意され、カスタマイズ機能を複数組み合わせることで、2 種類以上の素材への分割や再配置、割り当てができる。例えば一方の側面は硬素材で、もう一方の面はラバーライクの弾力のある素材から成る立方体を3Dプリントする場合、「硬素材用」と「軟素材用」オペレーター、そして両素材を結合するオペレーターを使用すればリアルタイムで確認しながら作成できる。

同開発チームは「 Foundry 」の使い勝手を検証するため、3D デザイン経験のない被験者に 1 時間のレクチャー後にテディベア、骨格標本、タイヤ付きホイールをそれぞれプリントしてもらうテストを実施した。その結果、テディベアが平均 56 分、骨格標本が 48 分、タイヤ付きホイールが 26 分だった。

Vidimče 氏の希望はこの「 Foundry 」が将来、3D CAD システムに統合されることだ。今回の研究は全米科学財団( NSF )の助成も受けている。




参照元記事1.
参照元記事2.