2016年12月31日土曜日

耐摩耗性に優れた新型エクストルーダーノズル「 Olsson Ruby 」がリリース

スウェーデン発:ストックホルム市内に本拠を置くデスクトップ3Dプリンター販売代理店 3DVerkstan AB は現地時間 12 月 29 日、自社ブランドの新型エクストルーダーノズル「 Olsson Ruby 」をリリースした。

同社は過去 5 年以上、「 Olsson 」ブランド製品の研究開発を協力企業と共同で行ってきた。今回発表された新製品は、カーボンファイバーや鉄、炭化ホウ素( B4C )、発光顔料といった従来のエクストルーダーノズルでは押し出すことが困難な高硬度フィラメント素材に対応するためホットエンド部に耐摩耗性に優れているルビーを使用したもの。一般的な ABS、PLA、ナイロン素材のフィラメントももちろん使用可能で、いずれのケースでも本来のプリント速度や品質を維持したまま出力できるとしている。ルビーはダイアモンドに次いで高硬度の鉱物。

同社は「 Olsson Ruby 」ノズルを最もシビアな出力条件を要求するプロユース層を想定して開発したが、幅広いフィラメント素材にも対応することで、一般的な3Dプリンターユーザー層にも売り込みたい考え。

「 Olsson Ruby 」ノズルは付加価値税( VAT )込 90 USD / 80 EUR で、3DVerkstan が契約する全世界の代理店を通じて販売される。

参照元記事

2016年12月30日金曜日

豪研究所が心臓に直接移植可能なバイオ3Dプリント技術を開発

オーストラリア・ニューサウスウェールズ州発:シドニー市のハートリサーチ研究所( HRI )はこのほど、機能不全に陥った心臓に直接貼り付け治療することが可能なバイオ3Dプリント人工組織の作成に世界で初めて成功したと発表した。

この画期的なバイオ3Dプリンターを開発したのは同研究所のフェロー研究員で3D人工組織の世界的権威 Carmine Gentile 医博で、必要なのは患者本人の皮膚から採取した細胞だけで、それを担当医が3Dプリントで人工心組織として培養したものを問題の箇所に移植して治療する。Gentile 氏によると、今回の成果は患部に直接移植可能なバイオ3Dプリント心組織の実用化という究極の目標に向けた大きな一歩だとしている。「患者自身の細胞が幹細胞を形成し、それが心筋細胞にもなる」。

同研究所によると、今回開発されたバイオ3Dプリンターで作成した心筋細胞が「実際のヒトの心臓と同様、互いに拍動する」ことを確認したという。同国内では 35 万人以上が何らかの心臓疾患に罹患しているされ、治癒率が年々向上している一方で毎日平均 24 人の国民が心臓疾患のため命を死亡していると言われている。

また今回開発した手法で作成した人工心臓組織は、新薬の副作用の試験用としても使用可能で、既に Gentile 氏らはどのような副作用が出るのかをこのバイオ3Dプリント新組織を使用しての検証を開始している。

Gentile 氏らは今回開発したバイオ3Dプリント技術による心疾患治療法を 5 - 10 年以内に実用化したい考えだ。

参照元記事1.
参照元記事2.

2016年12月24日土曜日

Flirtey、3Dプリント部品を含むドローンによるコンビニ商品 77 件の配送を実施

米国ネバダ州発:ドローン宅配サービススタートアップの Flirtey はこのほど、コンビニエンスストア大手 7-Eleven, Inc. ( 本社テキサス州ダラス )がリノ市内において同社のドローンを使用して 77 件の自律配送を完了したと発表した。同社のドローンには3Dプリント製部品が使われている。

Flirtey によれば、今回の配送ミッションは 7-Eleven との協業提携により先月、リノ市内の 7-Eleven 店舗で実施された。両社は今年 7 月にドローン商用利用に関する協業提携を結んでおり、先月実施された配送ミッションはその最初の成果となる。

ドローンによる自律配送で顧客のもとに無事届けられた商品は温かい食品や冷たい飲料、市販薬を含む日用品で、前もって選ばれた高齢者 / 共働き夫婦や学生など十数名の顧客から専用アプリを介して受注した商品を専用容器に収納して週末の定期配送として実施。顧客は専用アプリ画面上で配送可能商品リストや、配送中のドローンの現在位置を確認することができる。両社によれば、今回の 77 件のドローン自律配送にかかった平均時間は 10 分以下だったという。顧客からは配送のスピードや利便性について満足しているとのフィードバックを得ている。

両社今回の配送結果を顕彰した上で来年度以降、ドローンによる自律配送サービスを拡大する計画だ。Flirtey は既にニュージーランドで宅配ピザ大手 Domino's と共同でピザの宅配試験を実施済みで、ドローンによるピザ宅配サービスも米国内での事業展開を本格化させる計画だ。

同様のドローンによる自律配送サービスを事業化する計画の Amazon も同社初となる自律配送を今月初旬に英国ケンブリッジ州で実施しており、こちらの配送時間は約 13 分だったという。

参照元記事

2016年12月19日月曜日

世界初の移動式大型コンクリート造形用3Dプリンター「 CyBe R 3Dp 」

オランダ北ブラバント州発:建設用3Dプリンター製造スタートアップ CyBe Construction BV はこのほど、移動式大型コンクリート造形3Dプリンター「 CyBe R 3Dp 」を開発した。

同社によると、この新型コンクリート造形用3Dプリンターはキャタピラー台車による移動式。この種の移動式建設用3Dプリンターは、スウェーデンのルンド大学の開発チームが既にキャスター付きアルミフレームに搭載したコンクリート造形用3Dプリンターを試作しているが、同社の新製品は更に大型( 最大高 4.5 m、プリント可能範囲 2.75 m )で、世界初の実用移動式大型コンクリート造形3Dプリンターだとしている。プリント速度は通常モードで 200 mm / sec だが、最大 600 mm / sec までの高速プリントも可能。層間解像度は 30 mmで、コンクリート素材は純正品の CyBe Mortar を使用する。操作要員は2名。アウトリガー付きなので高さ調節もでき、不安定な場所でも作業が容易だという。

同社は広範な造形試験を実施し、「非常にたくさんの製品」が作れると主張する。たとえば高壁、汚水ピット、橋台、型枠なども従来製法よりはるかに低コストで建造可能としている。また同社は「 CyBe R 3Dp 」を使用することで建設現場での CO2 削減にも貢献するとしている。

「 CyBe R 3Dp 」は専用ソフトウェアおよびコンクリートミックスポンプ等専用の備品とパッケージ販売される予定で、2017 年前半にもドバイの提携先建設現場に搬入されて稼働する見通し。





参照元記事

2016年12月16日金曜日

2060 年のホテルには3Dプリンターが全部屋に常備と最新研究が予測

米国テキサス州発:オンラインホテル予約サービスを提供する Hotels.com L.P. ( ダラス市 )はこのほど、「未来のホテル」と題したホテルサービスに関する未来予測研究最新版を公表した。

今回の報告は未来予測専門シンクタンク「地球未来研究所」CEO で未来学者の James Canton 博士をパートナーに迎えて分析された結果を発表したもの。それによると 2016 年のホテルには自律型ロボットによる「ロボ執事」、ホテル環境自体を宿泊客の投票に応じて変えられる「クラウドソースドホテル( このサービスが実現すれば、たとえば「ジュラシックパーク」のような環境を出現させることも可能 )」、DNA 解析によるインスタントチェックインや DNA モバイルペイメント、DNA 情報に基づき各個人にカスタマイズされ健康寿命を促進する「スパ 2.0 」など奇抜なサービスが挙げられているが、中でも現実可能性の高いサービスと言えるのが3Dプリンターの常設配備だ。

同報告によると 2060 年にはどのホテルにも3Dプリンターが各部屋1台ずつ配備され、「重い荷物を持っての移動」は過去の話になると予測する。利用客は部屋に備え付けの3Dプリンターで歯ブラシや靴、薬、果ては PC やモバイル端末まで、「物質から作られている物全て」をその場でプリントアウトすることができるという。

Canton 博士の話「未来の旅行はじつに胸躍ることになるだろう。ホテル予約そのものがデータマイニングや思考を直接読み取るインテュイティヴ・コンピューティングを駆使した人工知能( AI )エージェントが代行するようになり、このような新しいトラベルデザイン研究の進展でより各個人のニーズにカスタマイズした宿泊体験の提供が可能になる。またこれらのサービスはその個人が利用するときはいつでも呼び出せるため、一生涯楽しむことができる」。

3D技術関連ではたとえば3Dホログラムを駆使したリアルスポーツ観戦や、居ながらにしてレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画鑑賞やエベレスト登山が体験可能な VR エンターテインメントも挙げられている。

参照元記事1.
参照元記事2.

2016年12月12日月曜日

3T RPD の AM 新生産拠点が完成

英国バークシャー州発:AM による樹脂 / 金属製品製造大手 3T RPD Ltd はこのほど、元英空軍基地グリーナムコモン飛行場にある同社本部近くに新生産拠点を完成させた。これは同社の推進する AM 生産施設増強計画の最初の成果となる。

新拠点の敷地面積は従来の生産施設の 3 倍に当たる約 3,300 m ² あり、このため仕上げ等最終工程を含めた製造全工程を行えるようになった。同拠点は先月から金属部品生産を開始しており、金属 AM 機、3D 測定設備( 3D CMM )、ブルーライトスキャナー設備および品質管理ラボが稼働しており、今後は非破壊検査( NDT )、多軸 CNC、真空炉も順次稼働を開始する見込みで、特に AM 生産設備は増加する需要に応じて更に増強することも計画しているという。

この新生産拠点の完成と稼働開始により、2017 年度以降は同社の金属および樹脂製品の AM 製造能力が一段と拡張されることになる。

参照元記事

2016年12月10日土曜日

MICRON3DP、世界初の溶融ガラス3Dプリンターの試作機を来年にも発表へ

イスラエル発:ケフェア・サバ市内に本拠を置く MICRON3DP Ltd. はこのほど、世界初の溶融ガラス3Dプリント技術を搭載予定の3Dプリンターによる製作デモおよび開発の進捗状況を公表した。

同社によると、溶融ガラス3Dプリント技術は原理的には FDM / FFF 方式と同等のものだが、1,000 °C という超高温でガラスを溶かしながら、100 µm の高解像度で積層造形するという。最大造形サイズは現段階では 200 x 200 x 200 mm で、ソーダガラスとホウケイ酸ガラスによるプリントが可能だとしている。

同社のような溶融ガラスによるラピッドプロトタイピング技術が確立すれば、耐熱性や耐薬品性といった利点を持つガラス素材の3Dプリントが普及する可能性がある。また金属やセラミックなどパウダー素材を使用する場合と比べて、仕上げ精度の高い溶融ガラスなら後処理がほとんど不要になる。

現在、同社は開発中の溶融ガラス3Dプリンターの商品化や、商品化した場合の発売時期について明らかにしていないが、α 版となる試作機を来年にも発表したいとしている。




参照元記事

2016年12月6日火曜日

Microsoft、「3D Builder 」最新版で「 Windows 10 Mobile 」および「 Xbox One 」でも利用可能に

米国ワシントン州発:Microsoft( NASDAQ:MSFT )は現地時間 12 月 5 日、3Dデザインアプリ「3D Builder 」最新版をリリースした。

「3D Builder 」は PC 用の同社 OS「 Windows 10 」に標準でバンドルされている簡易3Dデザイン編集アプリで、編集した3Dデータはそのまま3Dプリンタブルファイル( 3MF、STL、OBJ、PLY、WRL[ VRML ])に変換してダイレクトにプリントアウトできるが、携帯端末では利用できなかった。今回の最新版で初めて「 Windows 10 Mobile 」搭載携帯端末機器および同社のゲーム機器「 Xbox One 」に対応した。

同社は今年 5 月にオンライン3Dプリントサービス i.materialise と業務提携しており、「3D Builder 」で取り込んだ3Dデータはそのまま i.materialise サイトでプリントアウトを依頼できる。

Microsoft は「3D Builder 」のモバイル対応について、10 月に開催された同社主催イベント会場で事前に告知していた。また来年始めにも予定されている「 Windows 10 Creators Update 」では3D対応を更に強化する大型アップデートになることが明らかにされているため、「3D Builder 」も大幅に仕様変更される可能性がある。「 Windows 10 Creators Update 」は標準搭載の「 Paint 」アプリもネイティブで3Dデータに対応した「 Paint 3D」へと改められることが発表されている。

* 「3D Builder 」の取扱いについてはこちらを参照。

参照元記事

2016年12月5日月曜日

Audi の3Dプリント月面無人探査車が開発完了、来年にも打ち上げへ

ドイツ・バイエルン州発:Audi AG( NASDAQ:AUDVF )は現地時間 12 月 2 日、開発を進めていた月面無人探査車「 Audi Lunar Quattro 」の開発完了を発表した。

「 Lunar Quattro 」は同社が独科学者グループ Part-Time Scientists と共同開発した月面無人探査車(ローバー)で、民間による最初の月面無人探査を競う「 Google Lunar X Prize 」コンテストにエントリーしている。同ローバーは高剛性チタンおよびアルミ製で、ローバーの車輪を含む多くの部材製造には3Dプリント技術を活用している。ローバー製造工程に3Dプリントを採用することにより、製造期間短縮と軽量化の 2 点が達成できたとしている。

3Dプリントで製作されたローバーの車輪は当初のオープンスポーク型から月面での防塵性を高めるため密閉タイプに設計変更したため、車輪そのものは 22 % ほど大型化したにもかかわらず、合計 1.6 kg の軽量化に成功している。月面での運搬可能な観測機材重量 1 kg は通常 80 万ユーロ分に相当するため、「 Lunar Quattro 」の場合は約 128 万ユーロ相当分の機材がさらに搭載可能になったことになるという。

最後に開発チームに残された課題は、「 Lunar Quattro 」を無事に月面へと送り届けること、最低 500 m は月面を走行させ HD 動画を地球へ送信することだ。「 Lunar Quattro 」の車載カメラは 360 ° の全周撮影タイプ。ローバーは他の Audi 車と同様に 4輪駆動仕様だが、その最高速度はわずか 2.2 m / h だという。

Audi では、月へ打ち上げるまでに最終の地上試験をいくつか実施する計画で、月面活動全体の予行演習を中東の砂漠地帯で行うとしている。



参照元記事1.
参照元記事2.

2016年12月3日土曜日

OR Laser が金属3Dプリンター新製品「 ORLAS CREATOR 」を来年発売へ

ドイツ・ヘッセン州発:工業用レーザーシステム製造 O.R. Lasertechnologie GmbH は先月フランクフルト市内で開催された「 formnext 2016 powered by tct 」において、金属3Dプリンター新製品「 ORLAS CREATOR® 」の先行予約受注が 43 件あったことを明らかにした。

「 ORLAS CREATOR 」はコンパクトな筐体の低価格帯金属3Dプリンターで、中小企業の試作用途に特化した製品。従来の SLM 方式とは異なるダイレクトレーザー溶着方式で、円形造形ベッド上を円運動するコーターにより金属粒子を均一に積層しながら造形するため、従来の3軸座標( カルティジャン )型より 30 % 高速なプリントを実現したという。層間解像度は 20 – 100 μmで、造形可能サイズは Φ= 60 mm - 100 mm のフリースケーラビリティ設計。本体外寸は 717 x 858 x 1794 mm で、重量は 350 kg。Wi-Fi 接続のタブレット端末からの遠隔監視も可能。対応素材はステンレス、工具鋼、コバルトクロム、アルミニウム、ニッケル合金、チタン、貴金属。全ての操作は本体前面のタッチパネルで直感的に行える。

foamnext 会場の「 ORLAS CREATOR 」ブースは大盛況で、確定した受注分以外にもデモを見に来た顧客から 250 件以上の問い合わせもあったという。「 ORLAS CREATOR 」販売開始時期は 2017 年第 2 四半期を予定している。



参照元記事