2016年12月5日月曜日

Audi の3Dプリント月面無人探査車が開発完了、来年にも打ち上げへ

ドイツ・バイエルン州発:Audi AG( NASDAQ:AUDVF )は現地時間 12 月 2 日、開発を進めていた月面無人探査車「 Audi Lunar Quattro 」の開発完了を発表した。

「 Lunar Quattro 」は同社が独科学者グループ Part-Time Scientists と共同開発した月面無人探査車(ローバー)で、民間による最初の月面無人探査を競う「 Google Lunar X Prize 」コンテストにエントリーしている。同ローバーは高剛性チタンおよびアルミ製で、ローバーの車輪を含む多くの部材製造には3Dプリント技術を活用している。ローバー製造工程に3Dプリントを採用することにより、製造期間短縮と軽量化の 2 点が達成できたとしている。

3Dプリントで製作されたローバーの車輪は当初のオープンスポーク型から月面での防塵性を高めるため密閉タイプに設計変更したため、車輪そのものは 22 % ほど大型化したにもかかわらず、合計 1.6 kg の軽量化に成功している。月面での運搬可能な観測機材重量 1 kg は通常 80 万ユーロ分に相当するため、「 Lunar Quattro 」の場合は約 128 万ユーロ相当分の機材がさらに搭載可能になったことになるという。

最後に開発チームに残された課題は、「 Lunar Quattro 」を無事に月面へと送り届けること、最低 500 m は月面を走行させ HD 動画を地球へ送信することだ。「 Lunar Quattro 」の車載カメラは 360 ° の全周撮影タイプ。ローバーは他の Audi 車と同様に 4輪駆動仕様だが、その最高速度はわずか 2.2 m / h だという。

Audi では、月へ打ち上げるまでに最終の地上試験をいくつか実施する計画で、月面活動全体の予行演習を中東の砂漠地帯で行うとしている。



参照元記事1.
参照元記事2.