2017年2月5日日曜日

60 歳の英国人男性が世界で 2 例目の3Dプリント製チタン人工骨移植手術を受けて回復

英国ウォリックシャー州発:英国人の 60 歳男性が、英国では初となる3Dプリント製チタン人工胸骨と肋骨のインプラント手術を受けた。同様の3Dプリント製人工骨移植術は世界で 2 例目となる。

この移植を受けたのはスタッドリー市在住の Edward Evans 氏。同氏は 6 年前、極めて稀な骨の感染症のため、胸骨および肋骨の一部を切除した。従来の人工骨移植術ではセメント製のインプラントが使用されていたが、医療分野における3Dプリント技術の急速な発展と普及により、近年は軽量かつ高剛性、抗菌性能にも優れたチタン製品を使用することが可能になった。

執刀医の心胸外科医 Ehab Bishay 氏は2015 年、スペイン・サラマンカ大学病院で世界初の3Dプリント製チタンインプラントを成功させた豪医療機器メーカー Anatomics Pty Ltd にチタン製人工胸骨と肋骨の製作を依頼すると同時に、サラマンカ大学病院の執刀医チームにも協力を仰いだ。Anatomics は Evans 氏の胸部 CT スキャンデータを基に SLM 3Dプリンターでチタン製人工胸骨と肋骨を作成。形成外科医、胸部麻酔医、専門看護師らの混合チームが移植手術を行い、除去手術の痕跡はほぼ完全になくなり見た目も元通りになった。

その結果、移植手術後半年ほどが経過した現在の Evans 氏の様態は極めて良好で、肺活機能も回復し、軽いスポーツも楽しめるようになったという。Evans 氏の話「移植手術を受けた今はとても自信がついた。胸も健康だった時のような状態に近い。簡単な動作も難しい動作も以前より気持ちよくこなせる感じがしている。心臓と肺は人工胸骨に保護されているとわかっているから、その気になれば転ぶことだってできる。こんなことは以前だったらとてもできなかった」。

Evans 氏の話は BBC TV の連続番組でも最近取り上げられた。

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