2017年2月17日金曜日

スイスの大学生がサポート材なしでオーバーハング形状を作成可能な多軸制御3Dプリンターを試作

スイス発:FDM / FFF 方式の3Dプリンターでは通常、45 ° 以上のオーバーハング角を持つオブジェクト作成にはサポート材が必須だったが、チューリヒ応用科学大学( ZHAW )の学生 2 名はこのほど、ノズルヘッドと造形ベッドそれぞれに 3 軸の回転軸を持たせた多軸制御方式のデルタ型3Dプリンターを試作した。

この試作機を開発したのは同大学部生 Oliver Tolar、Denis Herrmann 両氏。2 人を指導した Wilfried J. Elspass 教授は、ノズルとベッドが 3 軸方向に独立して制御可能にすることで、従来方式では加工困難だった複雑な形状のオブジェクトもサポート材なしで作成可能になり、面倒な後処理やフィラメント使用量の削減にもつながる利点があると指摘する。試作機では造形ベッドごと急角度にチルティングしてプリントすることができ、複雑な形状のオブジェクトも短時間で作成できるが、ノズルとベッドを同時制御するソフトウェアはまだ開発していないため、プリント中に少しずつチルティングしてのプリント等はできない。

この画期的システムを考案した Tolar、Denis Herrmann 両氏が多忙なため、商品化に向けた更なる改善に当てる時間的はなく、現時点では具体的な商品化計画はない。ただし Elspass 教授によれば今後は制御データを生成するソフトウェア開発が必要と話し、今後も開発は継続するという。




参照元記事