2017年3月4日土曜日

格安住宅を 1 日で建造可能な移動式建設用3Dプリンターを開発

ロシア発:移動式建設用3Dプリンターのスタートアップ Apis Cor. はこのほど、小型住宅 1 棟を 24 時間以内で建造可能な新しい3Dプリンターを開発し、実証デモを行った。

それによると、この新型移動式3Dプリンターは小型住宅 1 棟を現地で 24 時間以内に建造可能だとしている。同社はこの移動式3Dプリンターを開発会社 PIK と共同開発し、実証デモはモスクワ市郊外で実施された。プリンターノズルから吐き出されるコンクリートの固結を防ぐため +5°C に保温したテント内で建造作業が行われた。

この新型3Dプリンターで建造できるのは壁など住宅部材のみで屋根、窓、断熱および電気工事、塗装はプリント完了後に別途施工する必要がある。今回試作された住宅は3Dプリント方式ならではの工法を披露するため、ローターのようなユニークな形状の円筒住宅に仕上げられた。同社によると電気工事など追加工事にかかる諸経費を除いた3Dプリントのみの建築費用は 10, 134 米ドル( 1 m² 当たり 275 ドル )と低コストで、耐用年数は 175 年だという。

従来の住宅建設用3Dプリンターは数パーツに分かれた大規模な構造の製品だったり、ユニット毎に工場で事前プリントしてから建築現場に搬入して組み立てる方式が主流だったが、Apis Cor の3Dプリンターは完全なオンサイト型で、建設現場に持ち込んでプリント作業できることが大きく異なる点だ。

Apis Cor の移動的3Dプリンターは小型クレーンのような外観で最大長 5 m、最大高 3.1 m、本体重量約 2 トン。一般重機と同じようにトラックで現地に運び込んで使用する。同3Dプリンター開発者で同社創業者 Nikita Chen-yun-tai 氏は次のように述べている。「弊社は世界中の人々の住環境を向上させる助けになりたいと考えている。そのためには速く、効率的で高性能を同時に実現する工法が必要があり、これを実現するためには重労働を全て肩代わりできるスマートマシンが必要になる」。




参照元記事1.
参照元記事2.