2017年4月20日木曜日

独研究者が市販3Dプリンターでガラスオブジェクトが作れる新技術を発表

ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州発:カールスルーエ工科大学( KIT )の研究者 Bastian Rapp 氏らのグループはこのほど、市販の光造形方式( SLA )3Dプリンターで高精細なガラスオブジェクトが制作できる新技術を開発したと 4 月 19 日付 Nature 電子版上に発表した。

同グループが開発した手法は、直径 40 nm の二酸化ケイ素微粒子を溶解した有機化合物からなる光硬化ナノコンポジット素材を使用し、通常の SLA 方式でプリントアウトする。その後熱処理にかけて不要な樹脂を溶かし、残ったガラスを溶融させて造形するというもので、高強度の透明ガラスオブジェクトが製作可能だという。同グループは城門、ハニカム、プレッツェル形のシリカガラスオブジェクトを試作。試作品は約 800 °C まで耐えられるとしている。解像度については、高解像度タイプのハイエンド3Dプリンターを使用すればさらに向上できる。

透明ガラス素材のメリットは耐久性や絶縁、断熱性に優れるなどが挙げられるが、最大のメリットは光透過性にある。Rapp 氏は、どんなに高級なプラスチックレンズでもガラスレンズの比ではなく、これが最新型であってもスマートフォン内蔵カメラがガラスレンズを採用する一般的なカメラに性能面で劣る理由だと話す。同氏はこの新技術が普及すれば従来製造できなかった精密なガラス部品が生産可能になり、レンズだけでなく宝飾、マイクロプロセッサー用微細部品への応用も可能になるとしている。

参照元記事1.
参照元記事2.