2017年6月5日月曜日

「バイオニックスキン」デバイスへの応用も可能な新3Dプリント技術を開発

米国ミネソタ州発:ミネソタ大学の研究者グループは非平面上にプリント基板を含む3Dプリント製品を作成する新技術を開発し、専門誌 Advanced Materials 電子版に発表した。

開発したのは同大学機械工学部准教授 Michael McAlpine 氏らのグループ。同氏によると、この技術が実用化されれば外科手術ロボットの触覚センサーや人工装具に埋め込んで装具のつけ心地の改善に役立てたり、人体に直接埋め込むウェアラブルセンサー / デバイスへの応用も可能だとしている。手術ロボットへの応用では、ロボットの「触覚」を執刀医にリアルタイムでフィートバックし、内視鏡ファイバーカメラを使用する方法では不可能だった施術も可能になるという。

同グループはまず多機能3Dプリンターの開発から始めた。これは 4 基のノズルヘッドからベースとなるシリコン層、回路層、加圧センサー、サポート層を特殊インクで積層して造形するというもの。従来、電子部品の製造にはクリーンルームや大規模な設備が必要だったが、この方式なら大幅なコストダウンも図れる。多機能3Dプリンターおよび特殊インクの開発には 2 年かかったという。McAlpine 氏は 2013 年、ナノマテリアルと導電素材とを組み合わせて人工耳を3Dプリント作成したことで国際的に評価されている。

McAlpine 氏の話「このような『バイオニックスキン』は外科手術ロボット用途に限らず、歩行性能や周囲の環境に適合した動作の向上にも役に立つだろう」。

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