2017年8月17日木曜日

3Dプリンターをサイバー攻撃から守る新たな方法を考案

米国発:ラトガース大学ニューブランズウィック校とジョージア工科大学の研究者グループはこのほど、癌細胞検知技術を応用した新たな3Dプリンターのサイバー攻撃対処技法を考案したと発表した。

この新対処法は現在カナダのバンクーバー市内で開催中のサイバーセキュリティカンファレンス「第 26 回 USENIX セキュリティ シンポジウム」で発表された。同グループの一員でラトガース大学ニューブランズウィック校電気工学 / コンピューターサイエンス学部助教授 Saman Aliari Zonouz 氏によると、産業界では多くの場合、高額な積層造形設備を自前で導入するより専門業者に外注するケースが多く、万が一納入された製品に欠陥が紛れ込んでいてもそれを発見することはほぼ不可能で、またセキュリティ対策は必須だがそれでもサイバー攻撃を完全に防ぐことは難しいと指摘する。

同グループは3Dプリンター複数台を実際に購入し、ファームウェアをクラックして欠陥製品を出力することができることや、ドローン用プロペラに欠陥を仕込ませてクラッシュさせることも実証している。

同グループの対処法は、センサーでエクストルーダーの動作を検出し、同時に作動音を記録して、プリント工程が設計通りか監視する。そして金のナノ粒子の造影剤を混入したフィラメントと3Dファイルを外注先に送り、外注先から返送された3Dプリント製品を高精度スキャナーにかけて検査するというもので、MRI や CT スキャンで癌や腫瘍を映像化するのと原理的に同じ手法だ。

Zonouz 氏は、次回は可能な限り考えられる3Dプリンター攻撃法を試して、案出した防御策を企業側に開示する計画だと述べている。

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