2017年11月5日日曜日

米研究者グループが3Dプリントステンレス鋼強度を従来の 3 倍にする条件を発見

米国発:米国の研究者らのグループはこのほど、3Dプリントステンレス鋼の強度が従来の約 3 倍に高まる条件を発見したと Nature Materials 電子版上に発表した。

発表したのは国立エイムズ研究所、ジョージア工科大学およびオレゴン州の研究者らのグループ。従来の SLS などのレーザー焼結法で3Dプリントされた金属製品には強度不足になりやすいという欠陥があった。今回、同グループが発見したのは、ある条件下で3Dプリントを行うと、オーステナイト系ステンレス鋼 316L の強度が約 3 倍に向上する、というもの。

同グループによると今回の発見は偶然の賜物で、異なる金属薄板とパウダーを使用して3Dプリントしていたところ、ある一定の条件下で強度が高まる現象を発見したという。具体的には、金属組織内部の構造変化により降伏強さと延性強度が従来の限界より向上したことを確認したとしている。

同グループの次の目標は高性能計算( HPC )を用いて次世代ステンレス鋼の性能予測および基盤インフラ改善のための予測モデルを構築することで、ステンレス鋼以外の他の合金鋼の潜在能力開発も視野に入れる。

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