2018年4月3日火曜日

油の除去方法を一新する可能性を秘めた3Dプリント微小構造物を開発へ

米国カリフォルニア州発:南カリフォルニア大学の研究者グループはこのほど、自然界の葉の形状にヒントを得て3Dプリントで作成した微小構造物の開発に取り組んでいる。

同グループによると、開発する上で着目したのが南米ブラジル原産のオオサンショウモの構造。オオサンショウモは疎水性のある構造で、浮袋のように水面に浮くことができる。同グループではこのオオサンショウモの撥水構造を3Dプリントで再現した微小構造物の製造と実用化に向けて研究を進めている。これが実用化できれば、たとえば原油流出事故などの人為的原因による海洋汚染の際、汚染物質と海水とを分離可能になるとしている。

同グループが使用した3Dプリント技術は一般的な FDM 方式ではなく、「表面浸漬積層法 ISA-3D printing 」と呼ばれる方式のもの。同グループはこの3Dプリント技術でプラスチック樹脂とカーボンナノチューブ素材からオオサンショウモを模した泡立て器のような構造の並ぶ微小構造物を試作した。同グループはこれから実施する検証作業で疎水性および油分を吸着する毛細管現象が確認されれば、油の除去作業を一新できる可能性があるとの期待を示す。




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