2018年5月6日日曜日

ターメリックパウダー成分配合のセラミック3Dプリントで骨組織再生率が 30 % 以上も向上

米国ワシントン州発:ワシントン州立大学の研究者グループはこのほど、骨組織にカレー原料のひとつターメリックパウダーに含まれる成分を配合した足場材をセラミック3Dプリントで生成したところ、骨組織が 30 - 45% ほど多く再生できたと専門誌 Materials Today Chemistry 電子版上に発表した。

今回の研究では生物的適合性セラミック素材から3Dプリントで足場材を生成し、そこに骨組織増加を促進する細胞を移植。これは骨粗鬆症などの骨疾患に用いられる手法だが、現行方式には骨組織再生サイクルとバランスがとれない、または骨組織の組成上の問題があった。

そこで同グループはターメリックパウダーに含まれる有効成分クルクミンを親水性ポリマーに封じ込め、それを3Dプリントで生成したリン酸カルシウムの足場材にコーティング。すると新しく再生した骨組織細胞および血管組織の活性力と増殖力がともに向上。自然治癒力も従来方式より高まったという。

天然由来成分には消炎作用や感染制御、および抗癌特性といった利点が多く含まれており、同グループでは今後、アロエベラ抽出物、サフラン、ビタミンD、ニンニク、オレガノ、ショウガといった天然に見出される有効成分を骨疾患治療に応用できないか検討するという。

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